臨港道路

臨港道路とは

臨港道路とは、港湾法によって定められた、港湾区域内や港湾と周辺の公道とを結ぶ道路のことです。道路法に基づく道路ではなく、港湾施設の一部として位置づけられています。一般的に「港湾道路」や「臨海道路」と呼ばれることもあります。

概要

港湾法第2条第5項第4号では、「臨港交通施設」として定義されており、そのうち道路にあたるものが臨港道路です。国土交通省の予算で整備され、港湾区域や臨港地区内の様々な施設を結ぶ役割を担っています。道路管理者は港湾管理者であり、国（国土交通省港湾局）や地方自治体（市町村や都道府県）が該当します。また、管理を他の団体に委託したり、有料[[道路]]として運営される場合もあります。

臨港道路は大型車両の通行が多く、道路構造令とは異なる幅員の設計がなされることがあります。また、歩道が整備されていない場合も見られます。

臨港道路の例

臨港道路は、道路自体の名称よりも、その一部である橋やトンネルの名称が広く知られていることが多いです。以下にいくつかの例を挙げます。

函館港幹線臨港道路 - 函館湾岸大橋（ともえ大橋）
青森港臨港道路 - 青森ベイブリッジ
八戸港臨港道路 - 八戸大橋、八太郎大橋
小名浜港臨港道路２号線 - 小名浜港トンネル
小名浜港東港地区臨港道路 - 小名浜マリンブリッジ
東京港臨海道路 - 東京ゲートブリッジ、臨海トンネル
臨港道路海岸青海線 - レインボーブリッジの下層道路部分
川崎港臨港道路東扇島水江町線 - 事業中
本牧・大黒臨港道路 - 横浜ベイブリッジへの取り付け道路（橋自体は臨港道路ではない）
横浜港臨港幹線[[道路]] - 瑞穂大橋、コットン大橋、みなとみらい橋、みなとみらいトンネル（国際大通り地下部分）
南本牧ふ頭連絡臨港道路 - 南本牧はま道路
新潟港臨港道路入舟臨港線 - 新潟みなとトンネル
臨港道路富山新港東西線 - 新湊大[[橋]]
敦賀港臨港道路 - 港大橋、金ヶ崎臨港トンネル、昭和橋
清水港袖師臨港道路 - しみずマリンロード
三河港臨港道路東三河臨海線 - 三河港大橋、港大橋
四日市港臨港道路霞４号幹線 - 四日市・いなばポートライン
大阪港臨港道路 - 大阪港咲洲トンネル
神戸港臨港道路 - ハーバーハイウェイ、摩耶大[[橋]]、神戸大橋
姫路港臨港道路須加中島北線 - 飾磨臨海大橋
水島港臨港道路 - 倉敷みなと大橋
広島港臨港道路 - 海田大橋
境港臨港道路 - 江島大橋
北九州港臨港道路 - 新若戸道路（若戸トンネル）
博多港臨港道路 - 香椎かもめ大橋
伊万里港臨港道路 - 伊万里湾大橋
鹿児島港臨港道路 - 天保山シーサイドブリッジ、黎明みなと大橋、谷山臨海大橋
那覇港臨港道路 - 泊大橋

漁港における道路

漁港漁場整備法で指定された漁港では、同法第3条に基づき「漁港施設道路」（通称：漁港道路）が存在します。これらは港湾法による臨港道路とは異なります。例えば、城ヶ島大橋を含む道路区間は神奈川県東部漁港事務所が管理する漁港施設道路です。

漁港法に基づく道路には、主に以下の種類があります。

漁港施設道路：農林水産大臣が作成する漁港整備計画に基づいて建設される漁港施設としての道路。
魚免道路：農林漁業用揮発油税の代替財源で整備される道路で、主に漁業施設と幹線道路を結ぶ役割を担います。完成後は、道路法上の道路として道路管理者に移管されます。

脚注

参考文献：窪田陽一『道路が一番わかる』、技術評論社、2009年

関連項目

道路
日本の[[道路]]
港湾
港湾法
鉄道事業法：新交通システムなどが臨港道路を導入空間として整備される際、補助金スキームなどの関係から、多くは鉄道事業法に準拠して整備される。

臨港道路は、港湾の物流を支える重要なインフラであり、経済活動を円滑にする上で不可欠な存在です。その構造や管理体制は、港湾の特性や地域社会のニーズに応じて多様な形態を取っています。

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