江心寺

江心寺

江心寺は、中華人民共和国浙江省温州市鹿城区に位置する仏教寺院です。現在の寺は清代の乾隆五十四年（1789年）に建てられました。

歴史

江心寺の歴史は古く、六朝時代に西域の高僧、諾巨那尊者がこの地の秀麗な風景を愛でて庵を結んだことに始まります。

本格的な寺院としての創建は唐代の咸通七年（866年）で、当時は「普済禅院」と呼ばれていました。北宋時代の開宝二年（969年）には、淨信講院が修築されました。南宋時代には、建炎四年（1130年）に宋の高宗趙構が金兵の侵攻を避けて南下した際、この普寂禅院に滞在したと伝えられています。翌年の紹興元年（1131年）には、宋高宗から「龍翔禅寺」という名を賜りました。紹興七年（1137年）には、僧の清了が皇帝の命を受け、江心嶼で壇を設けて経典を講義しました。

1952年には地元政府によって寺院の修復が行われ、住職の寂山が天王殿を修復しました。1983年には、中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定されています。

伽藍

江心寺の境内には、以下の伽藍が配置されています。

天王殿
鐘鼓楼
大雄宝殿（本堂）
三聖殿
方丈室
斎堂

東西塔

東塔：唐代の咸通十年（869年）に建立されました。
西塔：創建時期については諸説あります。

興慶寺

興慶寺は、浄信講院または西塔寺院とも呼ばれます。清代の嘉慶年間に重修されました。

宋文信国公祠

宋文信国公祠は、明代の成化十八年（1482年）に増築されました。

浩然楼

浩然楼は、万暦八年（1580年）に建立され、乾隆五十九年（1794年）に「孟楼」と改称されました。光緒元年（1875年）に重修され、元の名前に戻されました。

澄鮮閣

澄鮮閣は、北宋の崇寧元年（1102年）に創建され、当初は水陸閣と呼ばれていました。万暦十年（1591年）に重修され、「澄鮮閣」と改称されました。

その他

江心公園：1974年に建設が始まり、1990年に完成しました。
盆景園：光緒二十年（1894年）に建立されました。
温州革命烈士紀念館：1956年7月1日に建立されました。

重要文化財

江心寺には、以下の重要な文化財が保存されています。

宋代の古鐘
清代の秦瀛による『宋文信国公造像題記』石碑

主な住僧

江心寺には、以下の著名な僧侶が住職を務めました。

青了（真歇）禅師
華山和尚
薇山和尚
欽雲和尚
弘一
寂山
木魚
智明

文学

江心寺にまつわる文学作品としては、以下のものがあります。

朱熹の「開天気象」の額
王十朋の対聯「雲朝朝朝朝朝朝朝朝散、潮長長長長長長長長消」
文天祥の詩
乾隆帝の「円通殿」の額
閩浙総督伍拉納の「慈航普渡」の額
陳寿宸の対聯「四面烟波、幾疑蓬島移来、金山飛到。一龕香火、剩有蜀僧勝跡、宋篳遺踪。」

ギャラリー

[江心寺の画像へのリンク]

参考文献

明代の周洪漠『江心寺記』

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