江革

江革の生涯とその背景

江革（こうかく、年齢不詳）は、後漢時代の官僚として名を馳せ、特にその孝行から『二十四孝』にも名を連ねています。彼の字は次翁で、出身地は斉国の臨淄県です。

幼少期と母への献身

江革は幼い頃に父親を亡くし、母親と二人で暮らしていくこととなりました。新末から後漢初にかけての混乱した時代、彼は母を背負い避難生活を余儀なくされました。数回、反乱軍に遭遇することもありましたが、江革は母親のことを訴え、涙ながらにお願いすることで、反乱軍に同情を引き起こし、命を守ることができました。

下邳の地に身を寄せながらも、生活は厳しく、衣服をまとわず裸足で生活する日々が続きました。それでも、彼は懸命に働き、母を養うために雇われ仕事を続けていました。

郷里への帰郷とその後の人生

建武末年に母と共に故郷へ帰った江革は、母の高齢を尊重し、毎年の戸口調査の際には、牛馬を使わずに自ら車を引いて母を運んでいました。この姿勢から、地元では「江巨孝」と呼ばれるようになりました。しかし、郡の官吏からは官職への召命を受けましたが、江革は母親の老いを理由にそれを断りました。

母の死後、江革は深い悲しみに暮れ、自己を滅ぼすような哀悼の時間を過ごしました。喪が明けても、彼は服喪を続け、その姿勢に心を痛めた郡守が丞掾を派遣し、官吏になるように説得しました。

官職への経緯

永平の初年、江革はその孝行が評価されて孝廉に挙げられ、郎候への任命を受けます。その後、楚国の太僕に任じられて1か月ほどで再度官職を辞しました。楚王劉英が彼を引き留めようとしましたが、江革は応じませんでした。さらに、贈り物を送るように命じた中傅の申し出も断り続けました。

以後も幾度か三公の呼びかけには応じましたが、しばらくするとまた立ち去ることが続きました。建初初年には太尉の牟融によって賢良方正に選ばれ、司空長史を経て章帝の信任を受け、五官中郎将に転任しました。

章帝との関係

朝廷では、毎回行われる会議において、章帝は江革を支援するよう虎賁に命じるほど彼に対する期待を寄せていました。江革が病気で朝廷を欠席すると、章帝は彼のために食事を届けることもありました。また、洛陽の貴族たちは江革の名声に感銘を受けて手紙を送ったものの、江革は返答をすることはありませんでした。その様子を見た章帝は江革をさらに高く評価しました。

最終的には江革が上書を提出し引退を願い出た後、諫議大夫に任命されましたが、病を理由に帰郷することとなりました。

最晩年

元和年間には、章帝が江革の動向を度々尋ねるほどの強い関心を持っていました。江革が亡くなると、章帝は彼の家族に穀物1,000斛を送るという配慮を見せました。

江革の生涯は、母への深い愛情と無私の献身によって彩られ、多くの人々に感銘を与えるものとなっています。

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