池口恵観

池口恵観（いけぐち えかん）

池口恵観は、1936年生まれの日本の僧侶であり、単立烏帽子山最福寺の法主を務めています。高野山真言宗の僧侶としての顔も持ち、大僧正・伝灯大阿闍梨の位にあります。俗名は鮫島正純といい、その幅広い活動と独特な思想から、多くの人々に影響を与えています。

人物

鹿児島県で醤油屋の息子として生まれた池口は、高野山大学卒業後、俳優を目指して上京しましたが、その後宗教の道へ進みました。1961年には「三無事件」に関与し逮捕されるという経験もしています。1967年に宗教法人「波切り不動最福寺」を設立し、1971年には学校法人最福学園を設立、幼稚園経営にも携わりました。1989年には「百万枚護摩行」を達成し、行者としての地位を確立しました。また、ロシア、フィリピン、日本など国内外の大学で客員教授や非常勤講師を歴任し、1999年には山口大学から医学博士号を取得しました。

池口の宗教観は、全ての人々を差別しないという信念に基づいています。暴力団員やハイジャック犯など、あらゆる境遇の人々から相談を受け、家田荘子、小池一夫、金本知憲、新井貴浩といった著名人も弟子に名を連ねています。イトマン事件で実刑判決を受けた許永中もその一人です。また、世界各地で慰霊活動を展開し、ミャンマーの日本人墓地に戦没者慰霊碑を建立した際には、指定暴力団の幹部らと共同で事業を行いました。

池口は、「人は、存在するモノの5％しか見えていない」と説き、誰もが光を持って生まれてくるものの、その光を輝かせるか曇らせるかは、その人次第であると述べています。また、小泉純一郎、安倍晋三、二階俊博といった大物政治家との親交も深く、政界にも影響力を持っているとされています。

2007年には、右翼団体・日本青年社の総会に招かれ、安倍晋三を擁護する講演を行いました。その後も、同団体の機関紙に寄稿を続け、日本青年社の会合が最福寺で開催されることもありました。また、石川県護国神社では、田母神俊雄と共に「神官仏僧合同大東亜聖戦祭」を開催しました。

最福寺には、松本明慶大仏師による国内最大級の木造仏・大弁才天と、北朝鮮の金日成主席を尊敬する意味で建立された金日成主席観世音菩薩が鎮座しています。

北朝鮮との関係

池口は北朝鮮を頻繁に訪問し、朝鮮労働党の高官やよど号ハイジャック犯と会談しています。金日成生誕100年祭にも出席するなど、北朝鮮との深い関わりが知られています。これらの貢献により、北朝鮮から勲章も授与されています。

池口は、過去の日本の植民地支配による犠牲者に対し謝罪と慰霊を行うため、北朝鮮を訪問すると述べています。日本が過去の過ちを認め、補償を行うことが日朝国交正常化への道であると主張しています。金正日総書記の死去に際しては、哀悼の意を表し、朝鮮半島の平和と繁栄を願う言葉を述べました。

朝鮮総連中央本部ビルの落札と取得断念

2013年、最福寺は朝鮮総連中央本部の土地・建物を落札しましたが、北朝鮮政府高官からの要請に基づくものであったことを明らかにしました。しかし、最終的には融資の問題から購入を断念しました。池口は記者会見で、融資に関して何らかの圧力があったと述べています。

その他

香港の英字紙では、池口が暴力団関係者と密接な関係にあると報道されました。また、覚醒剤使用容疑で逮捕された元プロ野球選手の清原和博の身元引受人になることを否定しています。

著書

池口は多数の著書を執筆しており、その中には、

『蔣介石 その偉大なる生涯』
『池口恵観講話集』
『阿字』
『蒼天の龍』
『ヘタな人生論より空海のことば』
『苦しみはどこから生まれるのか？』
『弘法大師空海 「三教指帰」生死の苦源から覚りの安楽へ』
『空海「折れない心」をつくる言葉』

などがあります。これらの著作を通して、仏教の教えや人生観を広く伝えています。

論文

国立情報学研究所に論文が収録されています。

脚注

（省略）

外部リンク

最福寺について
Onsorasoba - YouTubeチャンネル

池口恵観は、その多様な側面から、現代社会における宗教家のあり方を問いかける存在と言えるでしょう。

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