池島和彦

池島 和彦（いけじま かずひこ）

1947年2月9日生まれ、大阪府豊中市出身（南河内郡河南町生まれ）の元プロ野球投手。

アマチュア時代

島上高校を卒業後、1966年に明治大学へ進学。東京六大学野球リーグでは、同期のエースである星野仙一と共に強力な投手陣を形成しました。当初は星野氏の活躍の陰に隠れがちでしたが、徐々に実力をつけ、チームの投手陣を牽引する存在となりました。その実力は星野氏を凌駕するとの評価も聞かれるようになり、大学4年次の1968年には、春季リーグと秋季リーグでそれぞれ3勝を挙げる活躍を見せました。

同年秋のプロ野球ドラフト会議で、読売ジャイアンツから8位指名を受けましたが、当時抱えていた肩の故障を理由に、この指名を固辞します。大学卒業後の1969年には、精密機器メーカーである三協精機に入社。モーター製造の部署で勤務を続けながら、母校である明治大学の先輩にあたる光沢毅監督のもとで野球を続けました。明治大学時代は、腕を高く上げる本格派のオーバースロー投手でしたが、肩の故障をきっかけに、投球フォームをスリークォーター気味に変更し、技巧派へと転換を図ります。この年開催された都市対抗野球大会に出場し、1回戦では前年度優勝チームである富士鉄広畑のエース、神部年男投手と投げ合いましたが、惜しくも1対2で敗れました。

プロ野球時代

三協精機に在籍していた1969年のドラフト会議では、事前に読売ジャイアンツからの指名を期待していたとされますが、結果として指名されませんでした。しかし、同会議で阪神タイガースから7位指名を受け、プロ入りを果たしました。

プロ1年目の1970年は、オープン戦で先発のマウンドに上がり5回を投げきり、同期入団のドラフト1位投手である上田二朗氏よりも早く、新人一番乗りとなる初白星を手にしました。しかし、シーズンが開幕すると球威不足が課題となり、二軍での調整を余儀なくされます。ウエスタン・リーグではエース格として活躍し、特に5月3日の中日戦では、二軍で3度目の先発登板となり、大学時代のライバルであった中日の星野仙一投手と投げ合い、5回を無失点に抑え勝利を収めました。一軍での初登板は、6月6日の広島戦（広島市民球場）で、鈴木皖武氏の後を受けリリーフとしてマウンドに上がり、3回を1失点に抑える投球を見せました。しかし、6月23日の中日戦（中日球場）では、伊藤幸男氏の後を受けて登板した際に江島巧氏に本塁打を浴び降板、敗戦投手となりました。7月にはジュニアオールスターゲームにも出場するなど活躍の場を広げましたが、このシーズンの一軍登板は3試合にとどまりました。

プロ3年目となる1972年に頭角を現します。6月末からは先発投手として起用される機会が増え、7月2日の中日戦（中日球場）では、プロ入り後初となる完封勝利を飾りました。さらに、9月2日の広島戦（広島市民球場）ではプロ野球選手として唯一の安打を放つなど、打撃面でも記録を残しています。この年は21試合に登板し、3勝3敗、防御率2.29という成績を残しました。二軍のエースから一軍の中堅投手へと成長を遂げたシーズンとなりました。

池島投手の最大の武器は、角度のある大きな緩いカーブと、切れの良いシュート、スライダーでした。特に低めに集める優れた制球力とこれらの変化球を巧みに組み合わせた投球は、「掴みどころがない」と他球団の打者から打ちづらいと評されました。しかし、翌1973年と1974年は、それぞれわずか1試合の登板に終わるなど、再び一軍での活躍機会を減らしました。そして1974年シーズン終了後、阪神タイガースを退団しました。

背番号は入団年の1970年から1971年が「14」、1972年から退団した1974年が「37」でした。

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