池田政純

池田政純（いけだ まさずみ）

池田政純は、江戸時代中期から後期の岡山藩家老であり、天城池田家第6代当主として知られています。

生涯

宝永3年（1706年）、池田綱政の末男として岡山で誕生しました。母は幸品（栄光院）。

宝永6年（1709年）に池田武憲の名跡を再興しますが、同年、藩主世子であった同母兄の政順が死去。これにより、天城池田家を継いでいた同母兄の保教（継政）が実家に戻り藩主世子となったため、翌宝永7年（1710年）に代わって天城池田家の家督を相続しました。

正徳5年（1715年）4月には、母である栄光院とともに幕府の証人となります。享保5年（1720年）9月、許されて国許に戻り、分家並の待遇を受けました。

元文2年（1737年）、継政が正室である村子（伊達吉村次女）と離婚した際に、伊達家側から幕府に、池田家内で家老たちが不行跡の藩主継政を押し込め、その嫡子である宗政（村子の子）を毒殺し、継政の同母弟である政純を藩主に立てようと図っているとの風聞が伝えられました。

明和3年（1766年）5月24日に没し、享年61歳。妻の豊子も政純のあとを追うように5月26日に死去しました。嫡子の政辰は既に亡くなっていたため、娘である唯子の夫、政喬（継政の次男）が政純の養子となり、家督を相続しました。墓所は天城池田家墓所（岡山県倉敷市）にあります。

人物

兄である継政（俳号：雪扇子）と同様に、和歌や俳句を好み、俳号を琴調と名乗りました。文化的な造詣が深かったことが伺えます。

系譜

正室：豊子 - 松平綱国養女、安藤国近の娘
長女：幸子（1728年 - 1731年） - 早世
次女：国子（1732年 - 1737年）
三女：静子（1734年 - 1755年） - 池田継政養女、一条道香政所
長男：政辰（1737年 - 1762年）
侍妾：中西氏
五女：唯子 - 池田政喬室
生母不明の子女
次男：長次郎
三男：滝川一洪（1739年 - 1776年） - 岡山藩番頭滝川一儔養子
四女：美恵子 - 池田政員室のち旗本滝川一道室
四男：明命（1762年 - 1772年） - 岡山藩番頭池田明貞養子
養子
政喬（1739年 - 1809年） - 兄・池田継政の次男

子孫

政純の外孫である一条溢子（一条道香と静子の娘）は、水戸藩主徳川治保に嫁ぎ、治紀をもうけました。その子孫は水戸徳川家などに血脈を伝えています。

最後の将軍である徳川慶喜や、その弟である鳥取藩主池田慶徳と岡山藩主池田茂政、また尾張藩主徳川慶勝は、政純の来孫にあたります。慶徳以降の鳥取池田家当主は、最後の当主である百合子に至るまで、政純の直系子孫です（慶徳―輝知…仲博―徳真―百合子）。

参考文献

『池田老臣累記』
『備前家老略伝』
『池田氏家譜集成』
『華族系譜20』

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