沖データコンピュータ教育学院硬式野球部

福岡県福岡市を活動拠点とする沖データコンピュータ教育学院硬式野球部は、日本野球連盟に加盟している社会人野球のチームです。このチームは、専門学校コンピュータ教育学院を運営母体としていますが、その名称には「沖データ」が含まれています。これは、野球部設立に際して沖データ（現在の沖電気工業）からの協賛を得たことに由来しています。なお、福岡県内に所在する学校法人沖学園とは、組織的な関連はありません。

チームの歩み

チームは1995年11月に、専修学校であるコンピュータ教育学院の硬式野球部として誕生しました。これに伴い、日本野球連盟への新規加盟も果たしています。翌1996年に入学した1期生を迎え、本格的なチーム活動がスタートしました。

創部後、専門学校チームでありながら、企業チームとも互角に戦う実力を見せ始めます。特に2002年には、社会人野球の主要大会の一つであるJABA九州大会において、強豪の企業チームを破りベスト8に進出する快挙を成し遂げました。

また、2010年にはJABA徳山（スポニチ）大会で初優勝を飾ります。これは、専門学校の硬式野球チームとしては初めてのJABA大会優勝という、社会人野球界における歴史的な出来事でした。その後、2018年にも同大会で再び優勝を果たしています。

チームからプロ野球選手も誕生しています。2011年のNPBドラフト会議において、当時チームに所属していた一岡竜司投手が読売ジャイアンツから3位指名を受け入団。これがチーム史上初のプロ野球選手輩出となりました。

チームの特色

沖データコンピュータ教育学院硬式野球部の大きな特色の一つは、指導陣に社会人野球やプロ野球でのプレー経験を持つ人材が多くいる点です。かつてはコーチが選手として登録され、JABA九州大会や都市対抗野球・日本選手権の九州2次予選といった主要大会でスタメン出場することも珍しくありませんでした。これにより、企業チーム相手にも引けを取らない戦いを展開していましたが、2007年以降は学生選手のみでチームを構成しています。

また、専門学校チームでありながら、社会人野球の企業チームとのオープン戦を積極的に組む機会が多く、これがチーム全体のレベル向上に繋がっています。その実力は専修学校のカテゴリーでは極めて高く、企業チームにとって脅威となる存在として認識されています。

卒業後の学生の進路は多岐にわたります。多くの選手は一般企業に就職しますが、中には西濃運輸、三菱重工広島、伯和ビクトリーズ、ニチダイ、JR九州、熊本ゴールデンラークスなどの他の社会人野球の有力な企業チームへ進んだり、クラブチームや実業団の軟式野球で競技を続ける者もいます。多くの部員が、卒業と同時にプロ入りを目指し、3年制の学科に在籍して技術を磨いています。さらに、母校であるコンピュータ教育学院の職員となり、後進の指導にあたる道を選ぶ選手もいます。

元プロ野球選手の関与

過去には、元プロ野球界で活躍した著名な人物がチームに関わっていました。故・稲尾和久氏がシニアディレクター、故・和田博実氏がシニアアドバイザーを務めたほか、藤田学氏が総監督、岩木哲氏、千代丸亮彦氏、森章剛氏（選手兼任）、城戸則文氏らがコーチとして指導にあたった時期があります。また、服部文夫氏も監督として指揮を執った後、一度退部しましたが、2023年からはコーチとして復帰しています。現在も、田原誠次氏がコーチを務めています。

このように、沖データコンピュータ教育学院硬式野球部は、専門学校という運営母体ながら、高いレベルの指導と積極的な活動を通じて、社会人野球界で独自の地位を築き、多くの人材を育成しています。

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