沖森源一

沖森源一

沖森源一（おきもり げんいち）は、1899年8月25日に生まれ、1951年8月14日に生涯を閉じた、大正から昭和期にかけて活躍した内務官僚・政治家です。最終学歴は高等小学校卒業でしたが、そこから努力を重ね、難関の高等文官試験に合格するという異例の経歴を持ちます。

生い立ちと官僚への道

沖森は広島県御調郡市村（現在の尾道市）で生まれました。高等小学校を卒業後、苦学の末に高等文官試験に合格し、内務省に入省しました。その後、香川県や岡山県で経済部長、長野県で内務部長を歴任し、官僚としてのキャリアを積み重ねました。

佐賀県知事として

1945年10月27日、沖森は官選の佐賀県知事に就任しました。しかし、翌1946年7月8日には、食糧供出に非協力的であるとして更迭されてしまいます。その後、新憲法下で初めて行われた知事選挙に立候補し、前任の官選知事であった戸沢盛男らを破り当選を果たしました。

知事在任中、沖森は戦後の混乱期における佐賀県の復興と改革に尽力しました。しかし、県庁舎が火災で焼失するという困難にも見舞われ、その再建に奔走することになりました。再建に向けて尽力したものの、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。

知事選での敗北と病没

1951年、沖森は再選を目指しましたが、反対派は鹿島藩藩主家の鍋島直紹を擁立し、選挙は沖森と鍋島の一騎打ちとなりました。地元の名家出身である鍋島に敗れた沖森は、その後間もなく病に倒れ、その生涯を終えました。激動の時代を駆け抜けた沖森の人生は、多くの人々に影響を与えました。

参考文献

宮原利弘「沖森源一」『佐賀県大百科事典』佐賀新聞社、1983年 ISBN 978-4-88298-001-8
『政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年 ISBN 978-4-8169-1805-6

もう一度検索