河南江北等処行中書省

河南江北等処行中書省

河南江北等処行中書省、通称河南行省は、元の時代に設置された行政機関です。その設立は1268年に遡り、元軍が襄陽を攻めた際の軍事的要請が背景にありました。この行省は、当初は河南省全域、江蘇省、安徽省、湖北省の北部、及び山東省の南西部を管轄していました。

歴史的背景

1268年、元軍による襄陽攻撃の際に、軍事上の必要性から河南行省が新たに設置されました。河南行省は、元朝の初期において非常に重要な役割を果たしました。しかし、5年後の1273年には、南宋攻撃のためにより集中的な管理が求められ、荊湖と淮西に新たに設置された行枢密院がその管轄地域として設定されたことにより、河南行省は廃止されました。この時、河南路は行中書省に直轄される形になりました。

その後、1291年には江浙行省の長江以北の地域に再度河南行省が設置されました。このように、河南行省は時代によってその役割と位置が変化し続けてきました。

下部行政区画

河南行省はその地域内部で分かりやすく区分されており、様々な行政区画が存在しました。以下にその主要な下部行政区画を示します。

河南江北道（5路、3府）

• - 汴梁路
• - 河南府路
• - 襄陽路
• - 蘄州路
• - 黄州路
• - 南陽府
• - 汝寧府
• - 帰徳府

淮西江北道（3路）

• - 廬州路
• - 安豊路
• - 安慶路

江北淮東道（2路、1府）

• - 揚州路
• - 淮安路
• - 高郵府

山南江北道（2路、3府、1州）

• - 中興路
• - 峡州路
• - 安陸府
• - 徳安府
• - 荊門州

これらの行政区画は、地域の統治を効率的に行うために細分化されたものであり、各地での地方自治や行政業務を円滑に進めるために重要な役割を果たしていました。

関連文献

このような行政区分や歴史については、以下の文献を参考にし、さらに詳細な知識を得ることができます。

• - 『元史』（中華書局）
• - 『中国歴史地図集』（中国地図出版社 1997年）
• - 周振鶴著『中国行政区画通史 元代巻』（復旦大学出版社 2009年）

河南行省は元朝時代における重要な行政単位であり、その変遷を知ることは、中国歴史を理解するための一助とも言えるでしょう。

もう一度検索