河辺村 (愛媛県)

河辺村について

河辺村（かわべむら）は、愛媛県南予地方に位置していた村で、2005年に大洲市と合併し消滅しました。この村は自然豊かで美しい環境に囲まれ、地理的には松山市からおよそ70kmの距離にあります。特に、肱川の支流である河辺川の上流域を包含し、四国山地に囲まれていました。

地理と環境

河辺村は東が小田町、西が肱川町、南が野村町、北が内子町と五十崎町に接していますが、山地に囲まれているため、各地域との往来は険しい峠道を通る必要がありました。また、村の面積の80%以上が山林で占められており、急峻な地形が特徴です。地形的には、自然が豊かである一方で、交通の不便さも影響している地域でした。そのため、村民にとって生活基盤が厳しい側面もあったと言えます。

歴史

河辺村の歴史は中世にまで遡り、当初は河邊郷と呼ばれていました。戦国時代の古城や砦の跡が村内には点在していますが、大規模な戦乱の舞台にはなっていないようです。江戸時代の初めには大洲藩の領土となり、1623年には新谷藩の分藩により川崎地区が新谷藩領に編入されました。

1889年には山鳥坂村と奥南村が設立され、1909年にこれらの村が統合して河辺村が誕生しました。その後、1943年に肱川村が成立し、河辺村は一度消滅しましたが、1951年に再び独立しました。村はその後2005年に大洲市、長浜町、肱川町と合併し、自治体としては消滅しました。

行政と教育

河辺村の最後の村長は稲田秀一氏で、自治体としての活動が終わるまで村政の舵を取っていました。村のキャッチフレーズには「美しい自然と産業が調和する心豊かな町」が掲げられ、地域独自の文化や自然を大切にしようとする姿勢が示されていました。

教育面では、河辺中学校があり、合併後は大洲市立河辺中学校となりましたが、2024年3月に閉校が予定されています。他にも河辺小学校が存在しました。

交通とアクセス

河辺村内には鉄道路線は通っておらず、伊予大洲駅からバスを利用してアクセスする必要がありました。地域の主要な道路は、険しい山道が多く、大型車同士の離合も難しい状況でした。特に、河边町と肱川町との境界付近には長年予定されていた山鳥坂ダムの建設があり、その影響で道路改修が進まない状況もありました。

主要な道路には、愛媛県道55号小田河辺大洲線や56号内子河辺野村線などがあり、地域の交通網を支えていました。

観光地と特産物

観光面では、坂本龍馬脱藩の道、屋根付橋、御幸の橋、河辺ふるさと公園などの名所がありました。イベントとしては「わらじで歩こう龍馬脱藩の道」や「渓流つり大会」、「ふるさと祭」などが開催され、地域の特色を生かした催しが行われていました。特産物にはアマゴ、しいたけ、キュウリなどがあり、自然の恵みを活かした農産物が多く生産されていました。

このように、河辺村は自然豊かな地域で、歴史的な背景や文化を持った村でしたが、周囲の自治体との合併によってその姿を消しました。

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