河野一二三

河野一二三

河野一二三（こうの ひふみ、1969年 - ）は、新潟県出身のゲームクリエイター、ディレクター、シナリオライターであり、株式会社ヌードメーカーの代表取締役を務めています。

ヒューマン時代

東北大学卒業後、株式会社ヒューマンに入社。『ヒューマングランプリ2』および『3』でディレクターとして経験を積んだ後、1995年に初のオリジナル作品『クロックタワー』を企画しました。1996年末に発売された『クロックタワー2（セカンド）』は約40万本のヒットを記録し、同シリーズは『バイオハザード』と並び、ホラーゲームの代名詞的存在となりました。

その後、推理アドベンチャーゲーム『御神楽少女探偵団』シリーズや、時代劇アドベンチャーゲーム『猫侍』の企画・ディレクションを手がけ、ヒューマンを退社しました。

独立、そしてヌードメーカーへ

半年ほどの休養期間を経て、『バイオハザード』の生みの親である三上真司（当時カプコン社員）の誘いを受け、40個ものボタンがついた大型コントローラーとフットペダルを必須とするロボットアクションゲーム『鉄騎』の制作を開始。

『鉄騎』の制作を機に、河野氏は『クロックタワー』『御神楽少女探偵団』チームの一部と共に制作集団ヌードメーカーを設立し、カプコン内部で開発を指揮しました。

2002年に発売された『鉄騎』は、売り上げこそ目覚ましいものではありませんでしたが、その独創的な内容から話題を呼び、『CESA GAME AWARDS 2002－2003』優秀賞を受賞。続編にあたる『鉄騎大戦』は、ネットワークゲームにおける新たな形を提案し、一部に熱狂的なファンを生み出しました。

河野氏のユニークな制作姿勢として、家庭用ゲームのみならず、アダルトゲームの開発も手がける点が挙げられます。アダルトゲームメーカー『エルフ』を発売元として、『新・御神楽少女探偵団』や『AVキング』を発表しています。

その後、家庭用ゲームの新作として、プラチナゲームズとのコラボレーション作品『無限航路』、PlayStation Portable用ソフト『戦律のストラタス』などをリリース。その他にも、スマートフォン用ソフトを多数手がけています。

2014年には、『クロックタワー』誕生20年に向けて、その魂を受け継ぐホラーゲーム製作プロジェクト「Project Scissors」を始動。クラウドファンディングで資金を募り、『クロックタワー』シリーズの精神的続編となるインディーゲーム『NightCry』を発売しました。

人物と作風

河野氏の作品は、そのジャンルの多様性が特徴です。『ヒューマングランプリ』はレースゲーム、『クロックタワー』はホラーゲーム、『御神楽少女探偵団』は推理アドベンチャー、『猫侍』は時代劇、『鉄騎』はロボットシミュレーション、『AVキング』はアダルトゲーム、『無限航路』はスペースオペラRPG、『戦律のストラタス』はテレビアニメ風アクションと、作品ごとに異なるジャンルや作風に挑戦しています。

同じくヒューマン出身のゲームクリエイター、須田剛一氏との交流があることでも知られています。

主な作品

ヒューマングランプリシリーズ
ヒューマングランプリ2 （1993年） - ディレクター
ヒューマングランプリ3 （1994年） - ディレクター
クロックタワーシリーズ
クロックタワー （1995年） - ゲームデザイン・ディレクター・シナリオ
クロックタワー・リワインド（2024年） - 監修
クロックタワー2 （1996年） - ゲームデザイン・ディレクター・シナリオ
NightCry（2016年） - ディレクター・シナリオ
御神楽少女探偵団シリーズ
御神楽少女探偵団 （1998年） - 原作・脚本・総監督
続・御神楽少女探偵団 完結編 （1999年） - 原作・脚本・総監督
新・御神楽少女探偵団 （2003年） - 原作・脚本・総監督
猫侍 （1999年） - 監督・総指揮
鉄騎シリーズ
鉄騎 （2002年） - ディレクター
鉄騎大戦 （2004年） - ディレクター
AVキング （2006年） - 監督・脚本
無限航路 （2009年） - ディレクター・シナリオ
戦律のストラタス（2011年） - ディレクター・シナリオ
Root Film（2020年） - 脚本
新クトゥルフ神話TRPGショート×ショート“七伏市奇譚”（2024年） - 「心蝕のパラノイア」シナリオ

外部リンク

ヌードメーカー
* 河野一二三 (@hifumi_kono) - X（旧Twitter）

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