法理弘

法理 弘の競馬人生

法理 弘（ほうり ひろし）は1945年11月11日生まれ、北海道出身の元騎手です。彼の競馬の道の始まりは1964年に遡ります。同年3月1日、彼は中山競馬場にて阿部正太郎厩舎からデビューを果たしました。初騎乗は同日の中山第9競走で、5歳以上80万下・チヤレンジミー（10頭中9着）でしたが、残念ながらデビュー年は勝利を収めることができませんでした。

翌1965年には、彼の騎手としての道が開けました。4月29日の東京第4競走障害4歳以上オープン・フジノオーで初めて勝利を挙げましたが、これが彼の日本国内における最後の勝利となりました。フジノオーは当時、橋本輝雄厩舎に所属しており、彼の騎手人生の中でも大きな役割を果たしました。法理は、阿部厩舎で加賀武見や関口健太郎と共に成長し、後に成島正規の兄弟子となりました。

3年目である1966年には大きな飛躍が待っていました。10月8日と9日の東京で初の2日連続勝利を達成し、更にフジノチカラに騎乗して東京障害特別（秋）では2着に入賞。1967年には、同馬で東京障害特別（春）2着、10月21日の京都第11競走伏見特別では、アリストクラトに騎乗し、2年ぶりの平地勝利をつかみました。

その後の1968年には、著名な作家吉屋信子が所有するリツシユンで障害において勝利を収め、続く5月には、ダビンチで未勝利戦を凌いで勝ち名乗りを挙げました。1969年はいくつかの困難がありましたが、ヒカルタカイという名馬に乗る機会を得ることで、再び結果を出すチャンスを手にしました。しかし、復帰初戦では10着と敗北し、冬のレースでオークス馬ルピナスを倒して一勝を挙げるに留まりました。

転機が訪れるのは1970年、障害に転向した法理は、ハセタカラの主戦騎手として活躍。東京障害特別（春）2着に続き、中山大障害（春）では自身初の重賞勝利を手にします。同年は19勝という最多記録を樹立し、特にメリーダンサーやグランドマーチスといった名馬の手綱を取ったことが印象的です。1971年にはさらに東京障害特別（春）で重賞勝利を重ね、構成するキャリアを確固たるものにしました。

1973年にはクリユタカを駆り、中山大障害（秋）で重賞初勝利を達成し、自身の重賞成績を4勝目に更新しました。1974年には平地の経験を活かし、クリリリーに騎乗して障害初勝利を果たします。1975年の中山大障害（春）では、グランドマーチスの騎乗中に難しい状況を巧みに乗り越え、重要な勝利を納めました。法理はレース後、「まともなら必勝。とにかく落ちないことをだけを考えて…。寺井君が一番喜んでくれるでしょう」と語りました。

1976年以降は障害レースでの成功を重ね、特にメジロアシガラの騎乗時には堅実な成績を収めましたが、1977年のクリヤシオでの勝利をもって現役を引退しました。彼の競馬人生は、騎手としての苦闘と栄光に満ちたものであり、日本競馬の歴史の中でも多くのファンに記憶される存在であり続けています。

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