法雨寺 (舟山市)

法雨寺（ほううじ）

法雨寺は、中華人民共和国浙江省舟山市普陀区にある曹洞宗の仏教寺院です。普済寺、慧済寺と並んで「普陀三大寺」と称される名刹として知られています。

歴史

法雨寺の起源は明代の万暦8年（1580年）に遡ります。高僧である大智真融がこの地の景観に惹かれ、庵を結んで居を構えたのが始まりとされています。当初は海潮庵と呼ばれていました。

万暦22年（1594年）には、郡司の呉安国によって「海潮寺」と改称されました。その後、万暦34年（1606年）には万暦帝の勅命により寺額を賜り、「勅賜護国鎮海禅寺」となりました。

清代に入ると、康熙28年（1689年）に寺院が重修されました。その後、僧の明益禅師が資金を募り、全面的な再建が行われました。康熙32年（1693年）には法雨寺の円通殿が建立され、その2年後には大雄殿も建立されました。康熙38年（1699年）には、康熙帝から「天華法雨」と「法雨禅寺」の額を賜り、寺名が「法雨寺」と改称されました。同治・光緒年間には、建築規模が拡大し、寺院としての格式を高めました。宣統元年（1909年）には、普陀山化雨小学校が開校されました。

しかし、1966年に毛沢東が文化大革命を発動すると、法雨寺もその影響を受け、仏像や法器は徹底的に破壊され、僧侶は還俗を余儀なくされました。

1983年になり大規模な再建によって拝経楼と九龍殿が再建されました。同年、中華人民共和国国務院は法雨寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定し、保護に乗り出しました。1987年には、九龍壁と石経幢が修築され、1995年には石碑坊1座が増築されました。

伽藍

法雨寺の主要な伽藍は以下の通りです。

天王殿
玉仏殿
九龍観音殿
御碑殿
大雄宝殿（本堂）
方丈殿
印光法師紀念堂
関帝殿

重要文化財

法雨寺には、数多くの重要文化財が所蔵されています。しかし文化大革命時に破壊されたものも多くあります。

仏頂尊勝陀羅尼塔：1987年に再建されたものです。
九龍壁：雍正9年（1731年）に建立されたものが文化大革命で破壊されたため、1988年に再建されました。
康煕帝の碑文：碑文は文化大革命で破壊されました。
雍正帝の碑文：碑文が文化大革命で破壊されたため現名に復しました。
魏晋玉仏三尊：文化大革命の際に破壊されました。
三尊石仏：文化大革命の際に破壊されました。

主な住僧

法雨寺の主な住僧は以下の通りです。

大智真融
如寿
如徳
如誠
如光
明益禅師
別庵性統
玉峰空懐
洞徹空明
楽道空経
法沢明智
立山満円
化聞福悟
開如徳月
印光
妙善
文学

詩歌

北宋の詩人である王安石や、元代の書家である趙孟頫も法雨寺について詩を詠んでいます。

参考資料

『重修普陀山志』
* 『普陀洛迦新志』

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