洞川温泉

洞川温泉（どろがわおんせん）

奈良県吉野郡天川村洞川にある洞川温泉は、大峯山への参道として古くから栄えた温泉地です。天川村内には他に天の川温泉、みずはの湯（天川薬湯センター）があり、これらと合わせて「三湯めぐり」として親しまれています。

概要

洞川温泉は、大峯山脈を源流とする山上川（洞川）沿いに位置しています。温泉街には、歴史を感じさせる純和風木造建築の旅館や民宿が20軒以上、土産物店や陀羅尼介丸の製造販売店などが軒を連ねています。

大峯山は修験道の山として知られ、女人禁制であるため、夏には多くの修験者や参拝者が訪れます。また、夏の避暑地としても人気があり、寒暖差が大きいため紅葉の名所としても知られています。

この地は役行者の高弟である「後鬼」の子孫が住んでいたという伝説も残っています。かつては、女人禁制の山岳への登山口として、旅館街の一部が遊郭の役割を果たしていたという歴史もあります。

毎年8月2日、3日には、役行者が島流しから無罪で帰還した際、村人が歓喜して迎えた様子を伝える奇祭「行者まつり」が開催されます。

泉質

2008年（平成20年）4月から、新しい源泉が使用されています。泉質は26℃の弱アルカリ性単純泉で、神経痛、リューマチ、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、慢性消化器病、冷え性、疲労回復などに効果があると言われています。

温泉街

温泉街は、純和風木造建築の旅館や民宿が立ち並び、趣のある景観を作り出しています。大峯山への参道沿いには、20軒ほどの旅館が並んでいます。

1993年（平成5年）に整備された日帰り入浴施設「洞川温泉センター」が老朽化したため、その跡地に日帰り入浴施設と観光拠点を兼ねた「洞川温泉ビジターセンター」が2024年（令和6年）4月25日にオープンしました。これにより、温泉街の新たな魅力が加わりました。

歴史

温泉そのものの歴史は比較的浅いですが、大峰講の宿場町としての歴史は古く、役小角に従った後鬼の末裔によって開かれたと伝えられています。長きにわたり、修験者や参拝者を受け入れてきた歴史ある温泉地です。

アクセス

バス: 近鉄吉野線下市口駅から奈良交通バスで約1時間、「洞川温泉」バス停下車。バスは1～2時間間隔で運行していますが、季節によって運休便があるので注意が必要です。

車: 国道309号川合交差点から奈良県道21号大峯山公園線を経由して虻トンネルを越えるルートか、下市町から奈良県道48号洞川下市線を南下して小南トンネルを越えるルートがあります。また、川上村の国道169号から分岐する林道を通るルートもあります。

周辺

洞川温泉の周辺はカルスト地形であり、多くの鍾乳洞が存在します。特に「面不動鍾乳洞」と「五代松鍾乳洞」は奈良県の天然記念物に指定されています。

天川村は国土交通省の「水の郷」に選定されており、近くにある「ごろごろ水」を含む洞川湧水群は、環境省の「名水百選」に選ばれています。豊かな自然に囲まれた地域で、美しい渓谷や清らかな水が楽しめます。

周辺の見どころ

龍泉寺
スノーパーク洞川
みたらい渓谷
天河大辨財天社
栃尾観音堂
蛇の倉
洞川八幡宮
かじかの滝
洞川湧水群
かりがね橋
* 母公堂

洞川温泉は、温泉だけでなく、周辺の豊かな自然や歴史的な背景も楽しめる魅力的な場所です。ぜひ一度訪れてみてください。

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