津和地島

津和地島（つわじじま）

津和地島は愛媛県松山市に属し、忽那諸島の一部として知られる島です。有人島の中で最も北西に位置し、山口県や広島県にほど近い地点にあります。

地理

津和地島は東西に連なる忽那諸島の一つで、東側には怒和島があり、両島を隔てる津和地瀬戸が広がっています。この二つの島は非常に近い距離にあり、また北側は広島湾、南側は伊予灘に面しています。沖合には二神島や由利島が存在し、西は情島や周防大島諸島と接する形で諸島水道によって隔てられています。島には大きな山はなく、最も高い地点で163メートルの山があります。周囲の長さは約12キロメートル、面積は2.85平方キロメートルです。

土地利用

島内の平坦な土地は少なく、主に海岸沿いに人家が密集して集落が形成されています。また、背後の山の近い部分では果樹園も広がっており、地域の農業も盛んです。

島名の由来

島の名称は、島根県津和野からの移住者が多く住んでいたことに由来するという説がありますが、正確な理由はわかっていません。

自然

この島は花崗岩質の地質を持ち、自然環境は豊かですが、平地が少ないため農業においては工夫が求められます。

歴史

島への人々の定住は古くから行われ、北岸の氏神鼻周辺で初めて居住が確認されて以来、後に季節風を避けるために南東側に移住してきました。中世の時代には、船の交通の要所として重要な役割を果たしていました。この時期には、島の中心に位置する旗山で村上水軍の幟旗が掲げられていたとされています。藩政時代には松山藩に所属し、藩主のための御茶屋があったことが現在も跡地に表れています。

明治時代には漁協が設立され、戦後には沖合での艦艇の事故によって多くの住民が影響を受けたこともあります。現在でもその慰霊碑が島に存在します。1950年代には水道施設が設置され、島民の生活環境が向上しました。

社会

1889年に町村制が施行された際、周辺の島々とともに神和村に属しましたが、1959年の合併で中島町となり、2005年に松山市に編入されました。島内には集落が一つしかなく、民家は古いものが多く見受けられます。

文化

津和地島は中世から風待ち港として栄え、その位置は航路の中でも利用しやすいものでした。秋祭りでは、神輿やだんじりが出て、島の規模に比して賑やかな祭事が行われます。特に柑橘栽培が盛んで、さらに最近ではたまねぎ栽培も重要な産業となっています。このたまねぎは松山市の「ふるさと納税」の返礼品にも選ばれるほどの人気があります。

交通

島の唯一の交通手段は、中島汽船による航路であり、様々な高速艇やフェリーが津和地港から発着しています。これにより、島外との行き来が可能となっています。

名所や名産

津和地島のたまねぎは、気候に適した栽培が行なわれることで有名で、島の名産品となっています。また、産業としては水産業も盛んで、獲れる魚種も豊富にあります。

津和地島は自然、歴史、文化が調和した魅力的な島で、多くの訪問者を惹きつけているスポットではあります。

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