津川洋行

株式会社津川洋行：動物医療と鉄道模型の融合

1977年、東京都八王子市にて鉄道模型用情景素材の卸メーカーとして設立された株式会社津川洋行は、現在、動物用医療機器と鉄道模型の情景素材という二つの事業を展開するユニークな企業です。当初は鉄道模型の情景素材に特化していましたが、1980年には動物用医療機器の開発・製造に着手、両事業を並行して発展させてきました。

動物用医療機器事業：動物たちの健康を支える

動物用医療機器事業では、獣医師の現場を支える様々な機器を提供しています。主力製品であるパラ・カートは、後肢に麻痺のある犬のための車椅子で、体型に合わせて受注生産されるため、高いフィット感と快適性を提供します。2000台近くの納入実績を誇り、多くの犬たちの歩行を支えています。

これ以外にも、獣医療用鉗子やピンセット、小型犬用吸入器など、動物病院で必要となる約1000点もの医療機器を製造。動物たちの健康維持に貢献しています。後肢の衰えが始まった犬をサポートする歩行補助パンツなども販売しており、多様なニーズに対応しています。1982年には農林大臣より動物用医療器具製造工場として認可を受けており、高い信頼性と品質を誇ります。

鉄道模型事業：リアルな情景で世界を広げる

鉄道模型事業では、NゲージとH[[Oゲージ]]の情景模型製品を数多く展開しています。ストラクチャー、水面表現に用いるパラフィン「水の素」、グランドカバー、樹木、トンネルポータル、踏切、道路標識、ミニカー、人形、街灯、歩道など、模型の世界観を豊かに彩るアイテムが揃います。

1990年代からは、Nゲージの気動車や1/87サイズのナローゲージ車両も発売。当初は情景用のディスプレイモデルでしたが、近年は動力付き車両も展開し、より高度な表現を可能にしています。また、レールクリーニングカーやホイルクリーナーなどのメンテナンス用品も取り揃え、模型愛好家のニーズを多角的に満たします。

かつてはシーナリー用品、特にカラーパウダーにおいて国内大手メーカーを凌駕するほどの製品数を誇っていました。「招福駅」シリーズとして、昭和30～40年代の建物を模型化した製品は、他社にはない特徴的な製品群でした。ウッドランド・シーニックス社の総代理店を務めていた時期もありました。

一時、鉄道模型事業の縮小傾向がありましたが、近年は広告再開や製品の再生産、そして銚子電鉄デキ3など魅力的な新製品の投入により、Nゲージを中心に事業を強化しています。2021年には、初の16番ゲージ鉄道車両も発売、幅広いゲージに対応する製品展開に力を入れています。

企業の歴史と進化

1977年の設立以来、株式会社津川洋行は幾度かの転換期を経てきました。有限会社への改組、動物用医療機器事業への進出、本社工場の移転、そして株式会社への改組など、常に変化と挑戦を繰り返しながら成長を続けてきました。2021年にはTwitterアカウントを開設し、情報発信にも積極的な姿勢を見せています。

動物医療機器と鉄道模型という一見異なる分野を融合させ、独自の道を歩んできた株式会社津川洋行。その歴史と技術力は、これからも多くの顧客に感動と喜びを提供し続けるでしょう。

もう一度検索