津村明秀

津村明秀騎手：11000回騎乗とGI制覇の軌跡

津村明秀騎手は、1986年生まれ、JRA美浦トレーニングセンター所属の騎手です。幼少期より競馬に親しみ、2001年、JRA競馬学校騎手課程に入学。同期には、後にスター騎手となる川田将雅騎手や藤岡佑介騎手らが名を連ねていました。優秀な成績で卒業後、2004年にデビューを果たしました。

デビュー当初は、鈴木伸尋厩舎所属として、数々のレースに騎乗。16戦目で初勝利を飾りましたが、その直後に落馬事故で左第1中手骨を骨折するアクシデントに見舞われました。それでも持ち前の粘り強さで克服し、デビューイヤーは8勝を挙げ、民放競馬記者クラブ賞を受賞。将来を嘱望される若手騎手として注目を集めました。

その後も、数々のレースで活躍。2008年には、ゴール直前で落馬の危機を回避し、1着でゴールする好騎乗が「サンデーモーニング」で取り上げられるなど、その騎乗技術の高さが評価されました。しかし、2010年には落馬事故により第2頸椎骨折・右肘挫傷の重傷を負い、約5ヶ月の戦線離脱を余儀なくされました。この事故を機に、障害競走免許を返上し、平地競走に専念することを決意しました。

困難を乗り越え、着実に実績を重ねた津村騎手は、2021年にJRA通算500勝を達成。さらに2022年には通算10000回騎乗を達成するなど、第一線で活躍し続けました。そして、2023年にはJRA通算11000回騎乗を達成。これはJRA史上44人目、現役では28人目という偉業です。

そして、デビューから21年目、実に48戦目にして、悲願のGI初制覇を成し遂げました。2024年5月12日、東京競馬場で行われたヴィクトリアマイルで、14番人気と低評価だったテンハッピーローズに騎乗し、見事勝利を掴みました。長年の努力が実を結んだ瞬間でした。

プライベートでは、新潟県在住の一般女性と結婚し、2人の息子にも恵まれています。家族ぐるみでJリーグ・鹿島アントラーズの熱烈なサポーターであることも知られています。ヴィクトリアマイル制覇の際には、家族はアントラーズの試合観戦に出ており、現地で勝利の瞬間を見届けることはありませんでした。このエピソードは、津村騎手自身もメディアでユーモラスに語っており、その飾らない人柄が垣間見えます。

津村明秀騎手は、長年にわたる地道な努力と、幾多の困難を乗り越えてきた経験から、多くのファンから支持されています。数々の重賞競走での好成績、そしてGI初制覇という偉業は、競馬界の歴史に刻まれる重要な出来事となりました。今後の活躍にも期待が高まります。

主な騎乗馬

津村騎手は数々の名馬に騎乗してきました。その中には、ラジオNIKKEI賞や京都金杯を制したタマモサポート、京成杯オータムハンデキャップを制したファイアーフロート、そしてGI競走ヴィクトリアマイルを制したテンハッピーローズなど、多くの活躍馬が挙げられます。これらの馬とのコンビネーションが、津村騎手のキャリアを彩ってきました。

受賞歴

アイルランド大使特別賞（2004年）
民放競馬記者クラブ賞（2004年）

エピソード

坂井千明元騎手が主宰する「千明塾」の門下生
2008年、ゴール直前で落馬寸前だったにも関わらず1着でゴールしたシーンがテレビ番組で取り上げられた。
* 家族全員が鹿島アントラーズのサポーター。GI初制覇の際、家族はアントラーズの試合観戦に出かけていた。

もう一度検索