洪璡基

洪 璡基（ホン・ジンギ）について

洪璡基（Hong Jin-gi、1917年3月13日 - 1986年7月13日）は、韓国における実業家及び政治家として知られています。本貫は南陽洪氏で、号は「維民」（유민）です。日本名では徳山進一としても知られています。1937年、京城帝国大学法文学部法学科を卒業後、同年に日本の高等文官試験に合格しました。

政治経歴

李承晩政権下での洪の政治キャリアは、その後の韓国の歴史に大きな影響を与えるものとなりました。彼は1954年に法務部の副長官、1958年には法務部長官に就任し、1960年には内務部長官を務めました。1960年代初頭、韓国は新憲法の下で第二共和国が発足し、洪もその一環として重要な役割を果たしました。

当時、韓国は深刻な経済問題に直面しており、最終的には軍事政権のもとで政治が再編成されました。洪は、四月革命において共産主義者による扇動を促す役割を果たしたと見なされ、李承晩政権の行動に対して責任を問われることとなりました。結果、彼は公職を退くこととなり、その後の起訴を受けて初めは死刑判決を受けたものの、その後無期懲役に減刑され、間もなく釈放されました。

実業家としての道

洪璡基は釈放後、政治活動から一転し、実業家としてのキャリアを歩むことになりました。1964年には中央ラジオ放送株式会社の社長に就任し、1968年には中央日報社の代表取締役社長に選ばれるなど、メディア業界でもその名を広めました。さらに、1971年からは株式会社東洋放送、1974年には中央日報・東洋放送株式会社の社長としての地位も確立し、最終的には1980年に中央日報社の会長に就任するまでに至りました。

家族との関係

洪の家族もまた、彼の影響を受けてそれぞれが社会的な地位を築いています。長女の洪羅喜は、1967年に李秉喆の息子である李健熙と結婚しました。李健熙は後に実業界で大きな成功を収めました。洪には他にも実業家である子供たちがいます。洪錫炫、洪錫肇、洪錫埈、洪錫珪、それに洪羅玲の5人の子供たちもおり、洪羅玲は元国務総理の盧信永の次男と結婚しています。さらに、彼の孫には李在鎔や李富真といった著名な人物が名を連ねており、その家系の影響力は今も続いています。

洪璡基は、政治家としての活動や実業家としての成功だけでなく、家族を通じてその影響力を次世代に伝えています。彼の人生は、韓国の歴史における複雑な状況を反映しており、一つの時代を象徴する存在となっています。

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