中川久忠

中川久忠（なかがわ ひさただ）は、江戸時代中期に豊後国岡藩を治めた第6代藩主です。

生い立ちと家督相続

元禄10年（1697年）に、第5代藩主・中川久通の三男として誕生しました。兄たちの早世により世子となり、宝永5年（1708年）からは父と共に二元政治を行いました。宝永7年（1710年）に父が亡くなると、家督を継ぎ、岡藩の藩主となりました。

藩政への取り組み

藩主となると、正徳元年（1711年）に従五位下、内膳正に叙任されました。しかし、藩政は多難を極めました。正徳3年（1713年）の大火、享保9年（1724年）の大旱魃による3万5000石もの被害、享保17年（1732年）の雨や虫害による飢饉など、相次ぐ災害に見舞われ、藩の財政は困窮しました。

そのような状況下でも、久忠は藩政の立て直しに尽力しました。享保11年（1726年）には、藩士の子弟教育のため、藩校・由学館の前身となる輔仁堂を創設し、人材育成に力を注ぎました。

家族

父は第5代藩主・中川久通。母は紀伊姫（酒井忠清の六女）。正室は松平頼豊の養女（正親町実豊の娘）です。実子がなく、浅野綱長の四男である中川久慶を養子に迎えました。また、中川久周の娘である清を、養子・久慶の正室としています。

晩年

寛保2年（1742年）10月13日に46歳で亡くなりました。跡は養子である久慶が継ぎました。

中川久忠は、災害による財政難に苦しみながらも、藩士の教育機関を設立するなど、岡藩の発展に貢献した藩主として知られています。

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