浅間神社 (三島市)

浅間神社（せんげんじんじゃ）

概要

静岡県三島市芝本町に位置する浅間神社は、古くは三嶋大社の八所別宮の一つでした。一時、摂社ともされていましたが、現在は独立した神社となっています。式内社「伊賀牟比売命神社」の論社の一つとして名前が挙がることもありますが、有力な説とはされていません。一般的には、火牟須比命神社は熱海市の伊豆山神社摂社である雷電神社であると考えられており、浅間神社はその遥拝所であるという説があります。

社名の由来は、伊豆山神社の本地仏である十一面千手千眼観音の仏名「せんげん」が、「浅間」の神名に転訛したとされています。神階は『伊豆国神階帳』によると「正一位 千眼大菩薩」とされています。また、元は伊豆国三宮でしたが、二宮八幡宮（現在の若宮神社）が三嶋大社境内に移された後、二宮となりました。ただし、四宮である広瀬神社が三宮に昇格したという記録はなく、一説には三宮は楊原神社であるともいわれています。

例祭は7月15日・16日に行われます。かつては富士登山を行う際に、必ずこの神社に参拝したと伝えられています。また、境内の周辺から湧き出る水は、下流の村々の灌漑用水として利用されていました。

祭神

浅間神社では、以下の神々が祀られています。

主祭神
木花開耶姫命（このはなさくやひめのみこと）
波布比売命（はふひめのみこと）
相殿神
瓊々杵命（ににぎのみこと）
火明命（ほあかりのみこと）
火蘭降命（ほおろかみのみこと）
彦火々出見命（ひこほほでみのみこと）

木花開耶姫命は、三嶋大社の祭神である三嶋大神（大山祇命）の娘であり、波布比売命は『三宅記』によると三嶋大神が大島に置いた后です。相殿神の瓊々杵命は木花開耶姫命の夫であり、火明命、火蘭降命、彦火々出見命は夫婦の息子たちです。つまり、浅間神社では、三嶋大社の祭神の妻と娘、そして娘の家族が祀られていることになります。

境内社

芝岡神社（しばおかじんじゃ）

浅間神社の社殿左側に鎮座する芝岡神社は、以下の祭神、社格、例祭が定められています。

祭神：高産霊神（たかみむすびのかみ）
社格：村社
例祭：7月15日・16日

元々は世古本陣の世古六太夫家の邸内に祀られていた屋敷神社でしたが、明治4年（1871年または1872年）に芝町の氏神として祀られることとなり、村社に列せられました。1877年（明治10年）3月の三島宿の大火で焼失しましたが、1880年（明治13年）に復興しました。昭和27年7月に浅間神社に合祀され、社殿と共に現在の場所に移転しました。本殿の下には大きな円形の石である「霊石」があり、子供の守り神とされています。

参考文献

秋山章纂修、萩原正平増訂 編『増訂豆州志稿 巻八上』
『増訂増訂豆州志稿 巻八上』 (PDF) （早稲田大学図書館）参照
三島市誌編纂委員会編 編『三島市誌 下』三島市、1988年。
中世諸国一宮制研究会編 編『中世諸国一宮制の基礎的研究』岩田書院、2000年。ISBN 978-4872941708。

関連項目

浅間神社
三嶋大社
伊豆山神社
伊豆国の式内社一覧
伊豆国神階帳

外部リンク

* 静岡県神社庁の浅間神社のページ'>浅間神社 - 静岡県神社庁

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