浅間神社 (志木市)

浅間神社の由緒と歴史

浅間神社は、埼玉県志木市に位置する神社で、富士山を神体とする浅間信仰に基づいています。その創建は1193年（建久4年）に遡ります。鎌倉幕府初代将軍である源頼朝が富士の巻狩りを行った際、宗岡村の住民は勢子として狩りに参加しました。その労をねぎらい、年貢を免除されたことを記念し、富士山を祀る神社として浅間神社が建立されたと伝えられています。

荒川の洪水と社地の変遷

創建当初、浅間神社は現在の場所とは異なる場所に位置していました。しかし、長禄年間（1457年 - 1460年）に荒川が氾濫し、社祠が流されてしまいました。その後、現在の羽根倉橋の上流部に流れ着いた祠を発見した村人は、これを神意と受け止め、その場所に社殿を再建しました。この出来事は、浅間神社が地域の歴史と深く結びついていることを示しています。

近代社格制度と富士塚の築造

明治初期になると、近代社格制度が導入され、浅間神社は「村社」に列せられました。この時期に、境内には「羽根倉富士嶽」と呼ばれる富士塚が築かれました。富士塚は、富士山への信仰を象徴する人工の山であり、地域の人々の信仰の拠点となりました。

移転を繰り返した歴史

その後も、浅間神社は荒川の改修工事などの影響を受け、何度か場所を移転しました。そして、1973年（昭和48年）に埼玉県道16号浦和所沢線（現在の国道463号）が開通した際、現在の場所に移転しました。富士塚も、神社の移転に合わせて共に移動し、今日に至ります。

現在の浅間神社

現在の浅間神社は、国道463号線沿いに位置し、地域の人々に親しまれています。境内には、歴史を物語る富士塚が残り、古くからの信仰を受け継いでいます。交通アクセスは、路線バス宗岡蓮田停留所から徒歩4分と便利です。

参考文献

• - 埼玉県神社庁神社調査団 編『埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉』埼玉県神社庁、1998年

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