浜海新区

浜海新区について

浜海新区は、中華人民共和国天津市に位置する副省級市轄区です。華北平原の北部に位置し、渤海湾に面した地域です。北は河北省唐山市豊南区、南は黄驊市と接しています。

地理

浜海新区は、150km以上の遠浅の海岸線と、38kmにわたって流れる海河を有し、淡水と海水の両方の恵みを受けています。海河が渤海湾に注ぐ場所には北大港水庫があり、一帯はラムサール条約登録地として、渡り鳥などの生息地となっています。この地域は水産資源が豊富で、特に渤海のコウライエビやワタリガニは品質と味の良さで知られています。しかし、近年の渤海の汚染や河口堰の建設、海岸部の埋め立て工事により、漁業は大きな打撃を受けています。また、地熱資源も豊富で、温泉も湧出しています。

経済

塘沽周辺は天津港の中心となるコンテナターミナルがあり、精油所、石油化学コンビナート、製塩工場、造船基地などが集積する工業地帯です。1980年代の改革開放以降、天津経済技術開発区（TEDA）などの工業団地が設けられ、多くの外資系企業が進出しています。TEDAは天津の新たな経済の中心となっており、ニュータウンの建設も進んでいます。特に注目されるのは、中国政府とシンガポール政府が共同で開発する「天津生態城」で、資源の再利用を重視した持続可能な都市開発が行われています。

歴史

塘沽には、大沽口砲台や潮音寺など、重要な史跡が残っています。大沽口砲台は天津を守る上で重要な役割を果たし、潮音寺は明代に建てられた歴史ある寺院です。この地域は古くから港として栄え、漁民、農民、製塩民が共存してきました。また、塘沽協定が締結された地でもあります。

中国の近代工業の黎明期を担った「黄海学社」や、中国最大の塩業企業である「天津鹸廠」など、近代工業発祥の地としての側面も持ち合わせています。近年では、「天津填海造陸」プロジェクトにより、大規模な埋め立て工事が行われています。2009年、塘沽区、漢沽区、大港区の三区が合併し、現在の浜海新区となりました。2015年には、港口地区で大規模な爆発事故が発生しています。

交通

公共交通機関としては、天津市中心部と塘沽を結ぶ津浜軽軌鉄路が利用できます。また、海河に架かる海河塘沽大橋は、一本の主塔を持つ斜張橋としては世界有数の規模を誇ります。

行政区画

浜海新区は、13街道、5鎮を管轄しています。

まとめ

浜海新区は、地理的、経済的、歴史的に重要な場所です。豊かな自然資源と産業基盤を持ちながら、持続可能な開発を目指し、新たな都市づくりが進められています。

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