浦岡敬一

浦岡敬一：日本映画史に名を刻む編集技師

浦岡敬一（1930年5月4日 - 2008年11月24日）は、日本映画界において卓越した才能を発揮した編集技師です。彼のキャリアは、1948年に松竹入社から始まりました。浜村義康に師事し、小津安二郎監督作品などの編集助手として貴重な経験を積みます。そして、1958年、小林正樹監督の『人間の條件』で、ついに編集技師として独り立ちしました。

1969年に松竹を退社してからは、フリーランスの編集技師として、ジャンルを問わず幅広い作品に携わりました。その才能は高く評価され、1989年には実相寺昭雄監督の『帝都物語』と杉田成道監督の『優駿 ORACION』で、第12回日本アカデミー賞優秀編集賞をダブル受賞するという栄誉に輝いています。

浦岡敬一は、編集技術の向上だけでなく、業界全体の発展にも大きく貢献しました。日本映画編集協会（現在の協同組合日本映画テレビ編集協会）の設立に尽力し、初代編集協会理事長としてリーダーシップを発揮しました。さらに、日本映画学校では講師として教鞭を執り、次世代の映画人を育成することにも情熱を注ぎました。

彼の映画界への貢献は、没後も称えられています。日本[[映画批評家大賞]]では、第19回より、編集技師を対象とした「浦岡敬一賞」が創設され、優れた編集技術を持つ人材の発掘と育成に貢献しています。

主な作品

浦岡敬一が手掛けた作品は多岐に渡ります。

『人間の條件』(1958年)
『太陽の墓場』(1960年)
『日本の夜と霧』(1960年)
『青春残酷物語』(1960年)
『霧の旗』(1965年)
『白昼の通り魔』(1966年)
『帰って来たヨッパライ』(1968年)
『黒蜥蜴』(1968年)
『儀式』(1971年)
『夏の妹』(1972年)
『愛のコリーダ』(1976年)
『復讐するは我にあり』(1979年)
『ええじゃないか』(1981年)
『帝都物語』(1988年)
『優駿 ORACION』(1989年)



これらの作品は、彼の卓越した編集技術によって、より魅力的な作品へと昇華されています。浦岡敬一は、まさに日本映画史に名を刻むべき、偉大な編集技師でした。

参考文献

武田うめ『編集者自身を語る』日本[[映画・テレビ編集協会]]、1993年。

関連人物

岡田茂 (東映)
宮島竜治

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