浮草日記

浮草日記

『浮草日記』は、1955年11月15日に公開された日本の映画作品です。山本プロダクションと俳優座が製作し、独立映画配給によって公開されました。監督は山本薩夫が務め、モノクロ、スタンダードサイズ、上映時間109分で制作されました。

作品概要

この映画は、真山美保の小説『市川馬五郎一座顛末記』を原作としています。物語は、古い意識を持つ旅芸人一座が、炭鉱町で発生したストライキに遭遇することから展開します。ストライキに参加する労働者たちの温かい人柄に触れることで、一座の人々は新しい時代への意識を芽生えさせていく様子を、明るくコミカルに描いています。喜劇としての要素を強く打ち出しながら、社会の変化と人々の意識の変革をテーマにした作品です。

まだ若手であった仲代達矢や小沢昭一らも出演しており、映画に新たな彩りを加えています。また、第29回キネマ旬報ベスト・テンでは第9位に選ばれ、昭和30年度の芸術祭にも参加作品として選出されるなど、高い評価を受けています。

スタッフ

監督: 山本薩夫
企画: 浅野龍麿、佐藤正之
原作: 真山美保『市川馬五郎一座顛末記』
脚本: 八住利雄
撮影: 前田実
美術: 久保一雄
照明: 平田光治
録音: 安恵重遠
音楽: 芥川也寸志
編集: 河野秋和
協力: 常磐炭鉱労働組合

キャスト

市川弥生: 津島恵子
市川吉次: 菅原謙二（大映）
市川馬五郎: 東野英治郎
玉木屋（興行師）: 小沢栄
中村扇蔵: 松本克平
平野（労働組合委員長）: 永田靖
沢田（労働組合文化部長）: 浜田寅彦
市川弥太: 花沢徳衛（東映）
坂東月太郎: 上田茂太郎（劇団新派）
小屋主: 島田屯
田中敬子（民藝）
おかみさん: 田中筆子
大空ひばり: 佐藤茂美
中村新之助: 高橋昌也
中村音蔵: 福原秀雄
市川伝助: 江幡高志
朝田（玉木屋の手下）: 中谷一郎
組合員: 井上昭文
組合員: 小沢昭一
組合員: 仲代達矢
稲本俊一
楽屋番の女: 東山千栄子
太田のお婆さん: 岸輝子
三戸部スエ
辻伊万里
お民: 中村美代子
川上夏代
大塚道子
田舎娘: 岩崎加根子
中村たつ
美佐子: 加代キミ子
医者: 安恵重遠

受賞

第29回キネマ旬報ベスト・テン 第9位
第10回毎日映画コンクール 脚本賞

外部リンク

市川馬五郎一座顛末記 浮草日記 - allcinema
* 市川馬五郎一座顛末記 浮草日記 - KINENOTE

『浮草日記』は、古い価値観と新しい時代の変化を、旅芸人一座という視点を通して描き出した、社会派喜劇の傑作として、今もなお多くの人々に愛されています。

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