海光山大五郎

海光山 大五郎について

海光山 大五郎（かいこうざん だいごろう）は、1900年3月16日に徳島県海部郡宍喰町で生まれた大相撲力士で、本名は小倉 清次（おぐら せいじ）です。彼の相撲人生は、戦乱や時代の変化に翻弄されながらも、相撲界での足跡を残しました。

来歴

彼は1924年5月の場所で幕下付出として初土俵を踏むことになります。この時、すでに24歳となっており、当時の相撲界では比較的遅い入門とされていました。しかし、彼は着実に成長し、1927年10月場所で新十両に昇進します。その後は、何度も十両と幕下を行き来する苦しい時期を乗り越え、1928年5月には「海光山 大五郎」と改名します。これは、師匠である二所ノ関の現役時代の相撲名「海山」に由来したもので、より一層の出世を目指す決意が込められています。

1932年1月には新入幕を果たしましたが、この場所は春秋園事件の影響で中止となりました。この結果、海光山は革新力士団に加入し、日本相撲協会を脱退することになります。しかし、1933年には幕内格別席での帰参を果たし、再び相撲界に戻ることができました。

相撲スタイルと業績

海光山は、その太鼓腹を生かした左四つの体勢から寄り切るスタイルで活躍し、「太鼓腹四天王」と称されました。彼は幕内中位での地位を保ちながら、その取り口で多くのファンを魅了しました。また、兄弟子の玉錦三右エ門が二所ノ関部屋を創設した際、その支えとなり、横綱の土俵入りでは露払いを務めるなど、部屋を陰で支える存在だったのです。

しかし、1938年12月、玉錦三右エ門が現役のまま亡くなると、海光山は精神的な打撃を受けたのか、1939年1月場所では土州山好一郎と共に13戦全敗を喫し、現役を引退することとなりました。引退と同時に、年寄・枝川を襲名し、二枚鑑札で玉ノ海梅吉を支えながら後進の指導に当たることとなります。

海光山は一時期、枝川部屋を独立して創立しましたが、戦後の混乱を受けて部屋を閉鎖し、再び二所ノ関部屋に戻ります。その後、高田川や放駒に年寄株を変更し、1953年には廃業を迎えました。

主な成績

通算成績としては、69勝82敗、勝率は0.460という結果を残しています。また、幕内在位は13場所に及びましたが、春秋園事件による1932年1月の場所はカウントされません。

結論

海光山 大五郎は、昭和初期の日本相撲界において、波乱に満ちた人生を歩みました。1924年の初土俵以降、彼は数々の苦難を乗り越えながらも、相撲界における存在感を発揮しました。戦友の死後は相撲の道から退くこととなりますが、彼の影響と業績は今でも多くの相撲ファンの記憶に残っています。1954年に54歳で死去しましたが、その人生の歩みは、相撲界の歴史の一ページとして語り継がれています。

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