海容級防護巡洋艦

海容級防護巡洋艦

海容級防護巡洋艦は、清国北洋艦隊によって第一次世界大戦前に就役した艦級です。この艦級では3隻が建造され、その設計は日本海軍に対抗するため、ドイツのフルカン造船所に発注されました。一隻あたりの建造費は163,000マルクで、日清戦争で失われた定遠級艦と同じ造船所で作られました。

艦形

海容級防護巡洋艦は、乾舷が高く、平甲板型を持った船体設計となっています。艦首は水面下に衝角があり、甲板上には「クルップ 1866年型 15cm（40口径）速射砲」が防盾付きの単装砲架で左右一基ずつ配置されています。船橋には司令塔が組み込まれ、艦橋の背後には見張り所を備えたミリタリー・マストが立っています。この見張り所には「オチキス 3.7cm単装機砲」が設置されています。

中央部には等間隔で並んだ2本の煙突があり、その周囲には艦載艇を置くスペースが確保されています。舷側甲板には片舷4基ずつ、計8基の副砲が配置されており、後部にはクレーン付きのミリタリー・マストが立っています。艦載艇置き場の後部には、最終的に後向きに配置された1基の主砲があり、全体の防御構造は平面部70mmの装甲を施し、石炭庫を備える形で敵弾に対する防御を強化しました。

武装

主砲には「1866年型 15cm（40口径）速射砲」が採用され、その最大射程は13,700mです。砲架は俯仰角を持ち、旋回角度は左右150度となっています。発射速度は1分間に4〜5発とされ、運用にあたり人力が必要でした。

副砲としては「1892年型 10.5cm（40口径）速射砲」が採用され、最大射程は12,200mです。こちらも人力による操作を要し、実際の射界には制限がありました。対水雷艇迎撃のため「オチキス 4.7cm（43口径）速射砲」を6基装備しています。また、艦首に1基、舷側にそれぞれ1基ずつ、計3基の35.6cm魚雷発射管を搭載し、1930年には対空火器も充実されました。

同型艦

海容級には以下の3隻があります。
1. 海容（Hai-Yung）
- 起工：1897年9月15日、進水：1897年12月21日、竣工：1898年2月12日。1899年に就役し、1937年8月11日に南京で自沈処分。
2. 海籌（Hai-Shew）
- 起工：1897年、進水：1897年12月12日、竣工：1898年12月12日。1899年に就役し、1937年8月11日に南京で自沈処分。
3. 海琛（Hai-Shen）
- 起工：1897年、進水：1898年、竣工：1898年12月12日。1899年に就役し、1937年8月11日に南京で自沈処分。

参考情報

この艦級に関する詳細は清国海軍艦艇一覧や、特定の書籍、『Conway All The World's Fighting Ships』などを参照できます。また、海容級についてさらに調べたい場合は、専用のオンラインリソースも利用できます。

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