海軍電測学校

海軍電測学校

海軍電測学校は、大日本帝国海軍において、艦船や地上基地で使用されるレーダー（電波探信儀）の探知、操作、維持に関する技術者を育成するために設立された教育機関です。この学校は、海軍通信学校から独立し、普通科、高等科、特修科、専攻科の4つのコースを設けていました。

概要と沿革

大日本帝国海軍は、レーダーの重要性を認識するのが遅れました。基礎技術は一定のレベルに達していたものの、レーダー関連の応用技術開発や人材育成は十分ではありませんでした。そのため、電測技術教育は当初、通信学校で行われていました。

しかし、レーダーや逆探知技術の開発が遅々として進まない状況を打開するため、1944年（昭和19年）4月20日に、艦政本部隷下の技術研究所と海軍航空本部隷下の空技廠支廠が統合され、海軍省の外局として海軍電波本部が発足しました。この組織再編に伴い、研究者の拡充だけでなく、艦船や地上基地でレーダー技術を担当する技術者の育成も急務となりました。

1944年9月1日、海軍電測学校は、神奈川県藤沢市辻堂の辻堂演習場近くに開校しました。藤沢には、航空用電波兵器や光学兵器の整備訓練を行う藤沢海軍航空隊が同年6月に開設されており、両者の連携が期待されました。

電測学校では、他の術科学校と同様に4つのコースが設けられ、練習生は現場へ、学生は電波本部、連合艦隊司令部、各艦隊司令部、海護総隊などに派遣されることになりました。しかし、満足のいくレーダーを開発することができないまま、電波本部は1945年（昭和20年）2月1日に空技廠と統合され、第二技術廠へと規模が縮小されました。それに伴い、電測学校も大量養成が困難となりました。また、藤沢海軍航空隊の滑走路が隣接していたため、連合軍による爆撃や機銃掃射が頻繁に行われ、講義の進捗も妨げられました。

1945年7月15日、各術科学校に対して、本土決戦（海軍省コードネーム：決号作戦）に備えるため、繰り上げ修了を実施し、修了者を戦力として投入するよう通達が出されました。しかし、電測学校は特殊任務要員の育成を目的としていたため、繰り上げ修了や閉校の対象外となり、終戦後の1945年9月に閉校しました。

学校の跡地は逓信省（現在の総務省、日本郵政グループ、NTTグループ）に引き継がれ、中央無線電信講習所藤沢支所、電気通信大学藤沢分校を経て、藤沢市に払い下げられました。1956年（昭和31年）、藤沢市は跡地に湘洋中学校を開校しました。

歴代校長

高橋雄次 少将：1944年9月1日 - 1945年6月20日
欠員：1945年6月20日 - 1945年7月15日
牛尾藤雅 少将：1945年7月15日 - 1945年9月15日（閉校）

脚注

[参考文献名や資料名があればここに追記]

関連項目

レーダーの歴史
電気通信大学
* 今里隆 - 当校に動員歴あり

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