深圳 (駆逐艦)

深圳駆逐艦の概要

深圳（しんせん、英: Shenzhen）は、中国人民解放軍海軍のミサイル駆逐艦であり、051B型駆逐艦に該当します。この艦は唯一の同型艦として知られ、NATOのコードネームでは旅海型（Luhai-class）と呼ばれています。

設計の特徴

深圳は、主に旅滬型駆逐艦（052A型）の進化型ですが、排水量は約1,500トン大きくなり、特にステルス性にも考慮がなされています。これは中国海軍において初のステルス技術を採用した艦船でもあります。推進装置はドイツ製のディーゼルエンジンとウクライナ製のガスタービンエンジンを組み合わせたCODOG方式が使われており、この機関に関しては異なる説も存在します。

武器と装備

深圳の武器システムは、旅滬型から多くが受け継がれつつも、一部改変が加えられています。特に防空システムには、360型レーダーやZKJ-4-3A戦術情報処理装置、HHQ-7個艦防空ミサイルシステムが組み合わされています。HHQ-7用の発射機は艦の前端部分に設置され、再装填のためのハッチも備えられています。技術的には、イタリア製の技術を基にしたHN-900戦術データ・リンク装置が装備されており、NATOのリンク 11と同等の性能が特徴です。

さらに、追加された381型レーダーは、以前の053K型フリゲートや051G型駆逐艦に搭載されていたものを改良した型となっています。魚雷探知能力や対潜能力に関しては、052A型に比べて若干の妥協もあるようです。

運用と役割

本艦は、当時の中国海軍において非常に革新的な艦艇とされましたが、実質的には1隻のみが建造され、技術試験艦的な位置付けとなりました。それでも運用実績は後の駆逐艦の設計に影響を与え、様々な新型艦の礎となりました。広州級や蘭州級といった新たな艦船は、本艦の基本設計をもとに製造されています。

また、2015年から2016年にかけて、深圳は近代化改修を受け、ミサイルシステムやレーダーを最新型に換装しました。この改修により、艦の防空能力が格段に向上し、現代の海上戦に対応できる形へと進化しました。特に中距離対空ミサイルのVLS（垂直発射システム）や、対艦ミサイルの発射筒の更新が顕著です。

海外活動と親善

深圳は、中国海軍の象徴としての役割も果たし、国際的な広報活動の一環として海外に派遣される機会も多くありました。2007年には東京都晴海埠頭に寄航し、親善訪問を行いました。

まとめ

深圳駆逐艦は、その独自の設計と先進的な装備によって、中国海軍の発展を体現する重要な艦艇です。一隻だけの建造に終わりましたが、その影響力は、新しい艦艇に受け継がれ、現在の海軍力の基盤となっていると言えるでしょう。

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