清傳寺

清傳寺（せいでんじ）

岐阜県高山市江名子町に位置する清傳寺は、高野山真言宗に属する寺院で、山号を神護山と称します。飛騨三十三観音霊場の7番札所、また中部四十九薬師霊場の39番札所としても知られています。

歴史

清傳寺の創建は、天平神護元年（765年）に泰澄禅師が自ら彫った十一面観音菩薩を本尊として、加賀白山の山麓に建てられたと伝えられています。しかし、後鳥羽天皇の時代に戦乱によって一時的に廃絶を余儀なくされました。その後、永享5年（1433年）に醍醐寺の成伝律師によって再興されました。

北陸地方が前田家の領地となると、清傳寺は前田家の祈願所として栄えました。富山藩の成立に伴い、富山市長柄町へ移転しましたが、明治13年（1880年）の火災により、それ以前の記録が失われています。大正7年（1918年）に富山での寺院維持が困難となり、高山市へ移転しました。さらに、本堂の改築を機に昭和5年（1930年）現在の場所に移されました。

境内には、大原騒動で駕籠訴人として処刑された江名子村の孫次郎の墓があり、歴史を今に伝えています。

仏像

清傳寺には、歴史的に貴重な仏像が安置されています。本尊の脇に祀られている薬師如来は、飛騨の仏師によって作られたもので、「姫薬師」と呼ばれています。また、同じく本尊脇にある大日如来坐像は、苗木藩の遠山友貞にゆかりのある仏像ですが、廃仏毀釈によって当寺に移されました。さらに、円空作の観音菩薩像も所蔵しており、多くの人々が参拝に訪れます。

アクセス

清傳寺へは、JR高山駅からタクシーで約8分の距離です。

参考文献

飛騨寺院風土記

外部リンク

飛騨三十三観音霊場 清傳寺

清傳寺は、その長い歴史の中で様々な変遷を経て、現在に至ります。飛騨地方の歴史と文化に触れることができる貴重な場所であり、多くの人々にとって心の拠り所となっています。

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