遠山友貞

遠山友貞（とおやま ともさだ）

遠山友貞は、江戸時代初期の武将であり、美濃苗木藩の第3代藩主です。通称は久大夫。寛永18年（1641年）に2代藩主・遠山秀友の長男として生まれました。母は滋野井季吉の娘です。幼くして父を亡くし、わずか2歳で家督を継ぎました。

生涯

藩主となった友貞は、幕府から江戸城の石垣普請を命じられ、また、領内では宗門改めを実施しました。領民の負担を軽減するため、これまで上納させていた馬飼料や畳薦を免除しました。慶安4年（1651年）には、将軍・徳川家綱に謁見しています。寛文元年（1661年）には増上寺勤番となり、従五位下・信濃守に叙任されました。翌年、初めて苗木城に帰城しました。


弟たちに領地を分与したことで、苗木藩の石高は10,500石となりました。藩祖以来の政策である新田開発を奨励し、犯罪者を荒廃地に強制移住させて開墾を行わせ、623石の新田を開発しました。


寛文4年（1664年）には、徳川秀忠の三十三回忌にあたり、増上寺の庫裏御番を勤めました。同年、家老の遠山太左衛門が従兄弟の遠山勘兵衛を斬殺し、自身も討たれるという事件が起こり、重臣の遠山両家が断絶となり、藩内で遠山姓を名乗れるのは藩主のみとなりました。


寛文6年（1666年）には、妻である久世広之の娘を亡くしました。妻の菩提を弔うため、本妙寺に葬った後、苗木新谷に法華宗陣門流の正中山 佛好寺を開創し、供養塔を建立しました。しかし、明治3年（1870年）には、廃仏毀釈により佛好寺は廃寺となりました。その後、木下利貞の娘を後妻として迎えています。


寛文11年（1671年）には、駿府加番を勤めました。延宝3年（1675年）、熱海で湯治中に病没しました。享年35歳という若さでした。家督は長男の遠山友春が継ぎました。墓所は岐阜県中津川市苗木の苗木遠山家廟所にあります。

参考文献

『苗木藩政史研究』後藤時男
『中津川市史　中巻Ⅰ』中津川市
『恵那郡史』恵那郡教育会
『福岡町史　通史編 下巻』福岡町

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