清心院

清心院（せいしんいん）は、江戸時代中期に生きた女性で、江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の側室として知られています。旧字体では「淸心院」と表記されます。彼女の生年は寛文7年（1667年）、没年は元文4年11月19日（1739年12月19日）で、73歳で生涯を閉じました。本名は不詳ですが、通称として新典侍（しんすけ、または新助）と呼ばれていました。

生涯

清心院は、公家の名門である豊岡家の出身で、祖は豊岡有尚です。父は不明ですが、祖父である権大納言・日野弘資の養女として育ちました。当初は、綱吉の正室である鷹司信子に仕える女房でしたが、大奥で大きな力を持っていた右衛門佐局の取り計らいにより、綱吉の側室となったとされています。

綱吉の死後、宝永6年（1709年）に清心院は出家し、清心院と号しました。その後、馬場先の御用屋敷で暮らしていましたが、享保2年（1717年）に密通事件が発覚し、飯田町新屋敷に蟄居を命じられました。元文4年（1739年）に73歳で亡くなり、戒名は淸心院貞岳妙瑌日証大姉です。

清心院の墓所は、東京都台東区谷中にある大円寺にあるとされていましたが、2024年9月26日に住職に確認したところ、実際には墓所は存在しないことが判明しました。

清心院に関連する作品

清心院は、その波乱に満ちた生涯から、多くの創作作品の題材となっています。

漫画:
よしながふみの漫画『大奥』では、男女逆転の設定で描かれています。
映画:
映画『大奥〜永遠〜［右衛門佐・綱吉篇］』（2012年）では、竜星涼が演じています。この作品も男女逆転設定です。
テレビドラマ:
1983年の関西テレビのドラマ『大奥』では、湖条千秋が演じました。
2023年のNHK総合のドラマ『大奥』では、神田穣が男女逆転設定で演じています。

参考文献

雲村俊慥『大奥の美女は踊る』 PHP研究所、2006年。
* 高柳金芳『大奥の秘事』 雄山閣、2003年。

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