清水三男

清水三男の生涯と業績

清水三男（しみず みつお）は、1909年12月20日に京都市下京区で生まれました。彼は日本の歴史学者であり、特に日本中世史に精通していました。彼の業績は、歴史学界において非常に重要な位置を占めており、後世の研究者に多大な影響を与えています。

学歴と初期の活動

清水は、京都府立第一中学校（現在の洛北高等学校・附属中学校）を卒業後、1928年に第三高等学校を経て京都帝国大学に入学しました。大学では、中村直勝の義兄の影響を受け、また指導教授の三浦周行と共に荘園に関する研究を進めました。彼は卒業論文として「封建制度の成立に関する一考察」を提出し、1931年に京都帝国大学文学部を無事に卒業しました。

その後、大学院に進学し西田直二郎の指導を受けながら、唯物史観の観点から中世封建社会の成立についての研究を続けました。1931年から1934年の間には、叡山学院で神道史を講じ、その後和歌山県立和歌山商業学校の教員として歴史を教えることになります。

共産主義との関わり

清水の活動は、その時代背景もあって困難に直面しました。彼は日本共産党に資金を提供したことや、様々な学術雑誌に論文を寄稿したことが問題視され、1938年には治安維持法違反で検挙されました。彼は起訴され、有罪判決を受けた後、釈放されましたが、監視下の日々が続きました。この期間、彼は牧健二のもとで日本古法制書目調査の助手として活動を続けました。

同時に、彼は中世村落の研究にも力を入れ、1942年には著書『日本中世の村落』を発表。この著作は、後に国民学術協会賞を受賞するなど評価され、石母田正の『中世的世界の形成』においても言及されるなど、戦後の歴史学において重要な貢献を果たしました。

戦争と抑留

1943年、清水は陸軍に召集され、幌筵島に赴きました。敗戦後はシベリアに抑留されることになります。抑留中も彼の研究活動に対する期待は高く、1945年には日本史研究会の創立委員として名を連ねました。しかし、1947年1月27日に彼はスーチャン捕虜収容所で急性肺炎により命を落としました。

影響と評価

清水三男の業績は、彼の死後も続けて評価されています。彼の著作集全3巻が刊行されており、特に『日本中世の村落』は、戦後の歴史学における金字塔とされています。彼は東京の石母田と並ぶ中世史の専門家として、その名を歴史に刻みました。清水の研究は、今でも多くの研究者にとって学びの源となっています。彼の業績を通じて、歴史の重要性を再認識することができるでしょう。清水三男は、日本の歴史を深く理解するための道を切り開いた歴史学者の一人であると言えます。

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