清水俊史

清水 俊史のプロフィールと研究

清水俊史（しみず としふみ）は、1983年に生まれた日本の仏教学者です。彼は主に古代インドの仏教と上座部仏教を研究しており、その学問的な歴史の中で重要な発言を行っています。

経歴

清水は佛教大学の文学部を卒業し、同大学の大学院で博士号を取得しました。彼の博士論文のタイトルは『部派仏教における業の研究』で、2013年に完成しました。以後、日本学術振興会で特別研究員として活躍し、さらに仏教大学総合研究所で特別研究員を務めるなど、学術界での地位を築いていきました。清水は2018年に著書『阿毘達磨仏教における業論の研究』によって浄土宗学術賞を受賞しました。

論争とアカデミック・ハラスメント

清水のキャリアは多数の業績に彩られている一方で、彼は研究界での論争に巻き込まれました。特に、東京大学の教授である馬場紀寿との間で、ブッダゴーサの仏教史における位置について2016年から論争が続いています。この討論の中で、清水はアカデミック・ハラスメントや出版妨害に苦しむこととなり、彼の研究に対する攻撃が繰り返されました。

論争の中心は、上座部仏教の『パーリ仏典』と大乗経典との関係についてです。馬場は、ブッダゴーサが大乗経典を恣意的に排除し、上座部経典のみを支持したと主張しました。これに対し清水は、ブッダゴーサは改ざんを行わず、大乗経典が後世に創作されたものであると反論し、その見解は学界でも注目を集めました。

2017年、清水の著書『上座部仏教における聖典論の研究』の出版を巡るトラブルが発生し、「さる先生」と呼ばれる人物から研究倫理への批判が寄せられました。この批判は強い脅迫行為を伴い、出版が妨害されました。最終的に第三者委員会の調査では清水の研究不正は否定され、学問の自由を脅かす行為があったと認定されました。

清水はその後、一時的に無職となりますが、仏教研究に復帰しました。その間、彼の業績についての評論も発表され、さらなる支持を集めました。2023年には新著『ブッダという男』で、アカハラの中心人物が馬場であると明言し、これにより沈黙を破りました。

仏教に対する見解

清水の著書では、彼の仏教に関する見解が明らかにされています。データとして、彼は平和主義者としてのブッダの姿を現代的な神話に過ぎないとし、釈迦は当時の価値観に基づいて行動していたと主張しました。これにより、彼は大乗非仏説を支持し、大乗経典を「現代の二次創作」と位置づけています。

著書

清水は数多くの著書を出版しています。

• - 『部派仏教における業の研究』[佛教大学博士論文]、2013年
• - 『阿毘達磨仏教における業論の研究：説一切有部と上座部を中心に』大蔵出版、2017年
• - 『上座部仏教における聖典論の研究』大蔵出版、2021年
• - 『ブッダという男：初期仏典を読みとく』筑摩書房、2023年
• - 『初期仏典の解釈学：パーリ三蔵と上座部註釈家たち』大蔵出版、2024年
• - 『お布施のからくり：「お気持ち」とはいくらなのか』幻冬舎、2025年5月

彼の仕事は日本の仏教学の領域において多大なる影響を与えています。

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