清水喜助

清水喜助

清水 喜助（しみず きすけ）は、日本の建設会社である清水建設の創業に関わった人物が名乗った名前です。主に、以下の二人が知られています。

初代 清水喜助
二代 清水喜助

初代 清水喜助

初代清水喜助（1783年 - 1859年）は、江戸時代の大工棟梁であり、清水建設の創業者です。越中国婦負郡小羽村（現在の富山県富山市小羽）の豊かな農家に生まれました。21歳の時、江戸で大工として働き始め、1804年を清水建設の創業年としています。

「清水屋」の屋号で店を構え、丹後宮津藩本庄家の御用達大工となり、江戸幕府の江戸城西ノ丸造営も請け負いました。彦根藩井伊家、佐賀藩鍋島家の御用達も務め、弟子の藤沢清七を娘婿に迎えました。詳細な資料は残っていませんが、着実に信用を築き、幕府御用を務めるまでに至りました。1849年には高田八幡宮隨身門の工事を完成させています。

神祇伯白川神道の門人として認められ、上棟式での装束着用を許されました。1851年には上野輪王寺宮から「出雲」の国名を授けられ、帯刀を許されるほどに出世しました。1858年の鎖国解除後、開港場建設にいち早く参加し、横浜に支店を構えて清七に任せました。1859年、外国関係の工事の遅れを取り戻すため江戸へ向かう途中に病に倒れ、亡くなりました。

主な作品

高田八幡宮随身門（1849年） - 1945年戦災で消失

二代 清水喜助

二代清水喜助（1815年 - 1881年）は、初代喜助の娘婿である藤沢清七です。越中国礪波郡井波（現在の富山県南砺市井波）出身で、初代喜助を頼って江戸に出ました。初代喜助の江戸城西ノ丸造営にも参加し、その後娘婿として迎えられました。43歳で二代目を継ぎ、清水喜助清矩を名乗りました。

1861年に神奈川役所定式普請兼入札引受人に指名され、外国人技術者から西洋建築を学びました。デント商会の代理人ロレイロの事務所兼住宅を施工し、横浜新田北方製鉄所や神奈川ドイツ公使館なども請け負いました。1870年には築地ホテル館を経営し、横浜居留地の商館や外国人応接所も手がけました。

初代とは異なり、横浜店を任されて材木商、金物販売、貸家業、洋品店などを経営し、事業家としても成功しました。1863年には隅田川ほとりの三圍稲荷内社殿を完成させ、三井財閥の建築を請け負うようになり、渋沢栄一とも親交を深めました。三井組との繋がりは、清水組に多くの工事案件と資金援助をもたらしました。1881年2月に自宅が火災に遭い、消火活動中に風邪をひき、それが原因で同年8月9日に67歳で亡くなりました。

主な作品

三圍稲荷内社殿
築地ホテル館
横浜居留地商館

清水喜助の名は、時代とともに変化する社会のニーズに応え、日本の建築業界の発展に貢献した人物の証として、今も清水建設に受け継がれています。


関連項目

小栗忠順 - 築地ホテル館の発案者
三野村利左衛門
* 渋沢栄一

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