礪波郡

礪波郡（となみぐん）の歴史と変遷

礪波郡は、かつて富山県に存在した郡であり、越中国の南西部に位置していました。その領域は、現在の高岡市の一部、砺波市、小矢部市、南砺市に相当します。この地域は、越中四郡の一つとして、古くから人々の生活が営まれてきました。

江戸時代の統治

江戸時代、礪波郡は独特の統治体制下にありました。今石動町と城端町の二つの町は町奉行の管轄下に置かれ、その他の地域は郡奉行の管理下にありました。1653年には、礪波郡と射水郡を管轄する郡奉行と、町奉行が分割され、町奉行所は今石動町に、郡奉行所は小杉新町に移されました。その後、郡奉行所は戸出や杉木新町にも一時的に移転しましたが、最終的には小杉新町に戻りました。

郡の変遷

明治時代に入り、礪波郡は行政区画としての大きな変遷を経験します。

1871年（明治4年）: 廃藩置県により金沢県の管轄に。
1871年（明治4年）: 新川県の管轄へ。
1876年（明治9年）: 石川県の管轄に。
1878年（明治11年）: 郡区町村編制法により、行政区画としての礪波郡が発足。郡役所は今石動町に設置。
1883年（明治16年）: 石川県から富山県へと管轄が移る。
1886年（明治19年）: 郡役所が杉木新町に移転。
1889年（明治22年）: 町村制の施行により、10町71村が発足。
1896年（明治29年）: 郡制施行により、東礪波郡と西礪波郡に分割され、礪波郡は廃止。

礪波十町

郡制が施行される以前の礪波郡には、砺波十町と呼ばれる10の町が存在しました。これは、城端町、中田町、井波町、福野町、出町、石動町、福光町、戸出町、津沢町、福岡町であり、砺波平野に点在する特徴的な集落を形成していました。

郡内の主な神社

延喜式神名帳には、礪波郡に以下の7座7社が記載されています。これらの神社は、地域の歴史と文化を今に伝えています。

高瀬神社（南砺市高瀬）
長岡神社（小矢部市七社）
林神社（砺波市林）
荊波神社（論社5社）
比賣神社（論社4社）
雄神神社（砺波市庄川町庄）
浅井神社（論社2社。高岡市福岡町赤丸 浅井神社、高岡市石堤 浅井神社）

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 16 富山県、角川書店、1979年10月1日。ISBN 4040011600。
* 旧高旧領取調帳データベース



礪波郡は、その歴史の中で様々な変遷を経験しましたが、その名残は現在の富山県において、地域文化や人々の暮らしの中に深く根付いています。

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