清水英夫

清水英夫の生涯

清水英夫（しみず ひでお）は、1922年10月21日に東京市本郷区で生まれ、2013年6月19日に転移性肺癌のため90歳で逝去した、日本の法学者、ジャーナリスト、弁護士です。青山学院大学の名誉教授であり、言論と出版の自由を擁護し、情報公開運動を積極的に推進したことで知られています。

若年期と学歴

旧制東京高等学校を1942年9月に卒業後、1943年12月に陸軍へ召集されましたが、1945年に復員しました。その後、1947年3月に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。

ジャーナリストとしてのキャリア

大学卒業後、清水は1947年4月に中央公論社に入社しましたが、1949年10月に退社。その後、日本評論社に入社し、『法学セミナー』編集長、『法律時報』編集長、出版部長などを歴任しました。

教育者としてのキャリア

1966年4月、清水は青山学院女子短期大学助教授に就任し、教育者としてのキャリアをスタートさせました。1968年4月には同大学の教授に昇進。1972年4月からは青山学院大学法学部教授となり、1983年には法学部長も務めました。1991年3月に青山学院大学を定年退職し、同年4月に同大学の名誉教授となりました。その後、神奈川大学経営学部教授（1991年4月～1993年3月）、日本ジャーナリスト専門学校客員講師（1993年4月～1997年3月）も歴任しました。

学位と研究

2001年、清水は「言論法研究 憲法21条と現代」および「言論法研究2 マス・メディアの法と倫理」で青山学院大学から法学博士の学位を取得しました。これらの研究は、彼の言論の自由とメディアに関する深い関心と専門知識を示しています。

社会活動と業績

清水は1956年に『法学セミナー』を創刊した直後、国際ジャーナリスト機構の世界大会に日本ジャーナリスト会議の代表として参加しました。2003年から2007年まで放送倫理・番組向上機構の初代理事長を務め、言論・出版の自由を擁護し、情報公開運動を推進しました。また、角川ホールディングスの取締役（2005年～）、映画倫理委員会委員長（1991年～）、日本出版学会会長、出版倫理協議会議長など、多くの要職を歴任し、メディアと出版業界の発展に貢献しました。

人物像

清水は、法学、ジャーナリズム、出版の分野で幅広い知識と経験を持ち、特に言論の自由に関する問題に深い関心を持っていました。彼の活動は、日本の民主主義とメディアの健全な発展に大きく貢献しました。

著作

清水英夫は、多数の著書を執筆しました。主なものとして、

『思想・良心および言論の自由 資本主義社会における精神的自由』(1961)
『法とマス・コミュニケーション』(1970)
『現代出版学』(1972)
『権力とマスコミ 緊張関係としての言論の自由』(1974)
『言論法研究 憲法二十一条と現代』(1979)
『情報公開』(1981)
『マスコミの倫理学』(1990)
『マスメディアの自由と責任』(1993)
* 『表現の自由と第三者機関 透明性と説明責任のために』(2009)

などがあります。これらの著作は、法学、ジャーナリズム、出版に関わる人々にとって重要な参考文献となっています。

後進の育成

清水が育成した研究者には、山田健太（専修大学教授）、大石泰彦（青山学院大学教授）などがおり、彼の学問的遺産は次世代へと受け継がれています。

まとめ

清水英夫は、法学者、ジャーナリスト、弁護士として、多岐にわたる分野で顕著な業績を残しました。特に言論の自由と情報公開の推進における彼の貢献は、日本の社会において非常に重要な意義を持っています。

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