清泉大学

清泉大学は、長野県長野市上野にキャンパスを構える私立大学です。この大学は、カトリック女子修道会である「聖心侍女修道会（聖心婢女修道会）」を設立母体としています。聖心侍女修道会は、1877年にスペインでラファエラ・マリア・ポラスとその姉ドロレスによって設立され、現在では世界各地で教育活動を展開しています。清泉大学もその活動の一環として、キリスト教の精神に基づいた全人教育を教育の基盤に置いています。

大学の沿革は、1934年に聖心侍女修道会の修道女が来日したことに始まります。戦後、長野清泉寮学院が開設され、その後、専攻科、幼稚園教員養成所、専門学校へと発展していきました。1981年には清泉女学院短期大学が開学し、幼児教育科や英語科などが設置されました。そして、2003年に清泉女学院大学が設立され、短期大学とともに長野県で唯一のカトリック系高等教育機関としての歩みを進めます。

設立当初は女子大学として運営されていましたが、時代の変化に対応し、教育機会の均等を図るため、段階的に共学化が進められました。2019年には、新設された看護学部において男子学生の受け入れが始まりました。そして、2025年4月には、清泉女学院大学および清泉女学院短期大学がそれぞれ清泉大学、清泉大学短期大学部へと名称を変更し、全学部・全学科が男女共学となりました。また、この改称・共学化と同時に、人文社会科学部が新設され、学部構成も刷新されています。

ただし、2024年12月には、2025年1月に予定されていた新設の人文社会科学部の一般選抜入試が、総合型選抜等で既に定員を満たしたとして中止されるという事態が発生し、文部科学省からも遺憾の意が示されました。これは大学の入学者選抜における課題として、今後の注目点となっています。

2025年4月以降の学部構成は以下の通りです。
人間学部
心理コミュニケーション学科（心理コース、英語コミュニケーションコース）
人文社会科学部
情報コミュニケーション学科（ITコース、経営ビジネスコース、グローバルコース）
文化芸術学科（文化コース、地域づくりコース、クリエイティブコース）
看護学部
看護学科
助産学専攻科

大学では、創立者の名を冠した「ラファエラマリア・スカラシップ」をはじめとする給付型奨学金や、保護者会などが運営する貸与型奨学金など、独自の奨学金制度を設けて学生の修学を支援しています。

また、学外機関との連携も積極的に行っています。国内においては、清泉女子大学や上智大学との国内留学協定や、長野県内の様々な大学との単位互換協定、高等教育コンソーシアム信州への参加などを通じて、教育資源の共有や交流を図っています。国際的には、アメリカ、韓国、台湾、モンゴル、カナダの大学と学術交流協定を結び、国際的な視野を持つ人材の育成に努めています。

清泉大学は、清泉大学短期大学部や、長野、鎌倉、東京にある清泉系列の学校群と連携を保ちながら、教育活動を展開しています。長野県におけるカトリック系高等教育の中核として、地域社会に貢献しうる有為な人材の育成を使命としています。

キャンパスへのアクセスは、しなの鉄道北しなの線三才駅より徒歩約13分、あるいは長野駅からのバスを利用することができます。

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