清泰寺 (美濃市)

清泰寺（せいたいじ）

岐阜県美濃市殿町に位置する清泰寺は、臨済宗妙心寺派に属する特例地寺院です。山号を安住山と称し、その歴史は戦国時代にまで遡ります。

歴史

清泰寺の起源は、永禄6年（1563年）に、当時の鉈尾山城主であった佐藤清信が、自らの菩提寺として大圭紹琢を開山に招き、美濃市下渡付近に阿育山保寧寺として建立されたことに始まります。

その後、文禄元年（1592年）には、佐藤秀方が伽藍を整備し、寺名を泰岑山以安寺と改称しました。さらに、佐藤方政によって寺領30石が付与され、寺基は確固たるものとなりました。

関ヶ原の戦い後、佐藤氏が没落すると、小倉山城主となった金森長近が、慶長10年（1605年）に寺を現在地に移し、自らの法名に因んで安住山清泰寺と改め、菩提寺としました。この際、寺領として100石が与えられています。しかし、金森家が後継ぎを欠いて断絶すると、上有知村を預かった大久保長安による検地の際、寺領100石は没収されました。

江戸時代を通じて、清泰寺は妙心寺派の大寺として栄え、多くの末寺を抱えるまでになりました。庭園は、金森宗和の作庭と伝えられ、昭和44年（1969年）に美濃市名勝に指定されています。

境内には、領主であった佐藤氏歴代、金森氏歴代の墓があり、特に金森長近を祀る金森大明神は、神仏分離以前は現在よりも大規模なものでした。武儀郡における臨済宗妙心寺派の巨刹として、40以上の末寺を擁しています。また、仙厓義梵が出家した寺としても知られています。中濃八十八ヶ所霊場三十九番札所にもなっており、多くの参拝者が訪れています。

文化財

清泰寺には、以下の文化財が指定されています。

佐藤清信、秀方、金森長光の墓（美濃市指定史跡）
石原清左衛門の墓（美濃市指定史跡）
庭園（美濃市指定名勝）

参考文献

『新版禅学大辞典』 大修館書店
* 『美濃市史』

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