清海鎮 (ASR-21)

清海鎮（ROKS Cheonghaejin）

清海鎮（チョンヘジン）は、大韓民国海軍に属する潜水艦救難艦で、その名称は統一新羅時代に存在した全羅南道の海上要塞に由来しています。この艦は、潜水艦の救難活動を支援するために設計され、1992年に建造が始まりました。現在、清海鎮は韓国の海洋安全や救助活動において重要な役割を果たしています。

設計と構造

清海鎮の設計は、韓国海軍の潜水艦戦力の拡張に対応するものであり、大宇重工業で開発されました。この艦は長船首楼型で、ディーゼル・エレクトリック方式の主機関を採用しており、V型16気筒のMAN 16V28/32ディーゼルエンジンを3基搭載しています。これにより、推進発電機が動作し、電動機が可変ピッチ・プロペラを駆動します。艦の安定性を確保するために、艦首と艦尾にサイドスラスターを備え、動的に艦位を保持するための補助設備が整っています。

装備

潜水艦救難装備では、当初搭載されていたイギリス海軍のLR-5深海救難艇を基にしたLR-5Kが、2008年に新型のDSAR-5に改良されました。この新しい救難艇は、全長9.6メートル、全幅2.7メートル、高さ3.8メートルで、最大水深500メートルまで対応可能です。一度に16名の要救助者を救出でき、搭載された9名用のレスキュー・チェンバーにより救助活動の幅が広がっています。これらの装置を用いるため、Aフレーム・クレーンも搭載されており、作業の円滑化が図られています。

加えて、深海潜水装置（DDS）も搭載されており、特に遭難潜水艦への潜水士の進出を可能にするための機能が備えられています。この装置では、飽和潜水を利用して、高水圧に曝露された乗員の減圧や治療も行えるよう設計されています。大型の再圧タンクである艦上減圧室は、水深300メートルまで対応できるのが特徴です。

また、潜水母艦としての機能も持ち合わせており、蓄電池の充電、糧食や燃料、酸素、清水の補給サポートも行うことができます。これにより、清海鎮は多様な任務に対応できる柔軟な艦艇となっています。

艦歴

清海鎮は、2000年から各国共同の西太平洋潜水艦救難訓練である「パシフィックリーチ」に参加し、国際的な救難能力の向上に寄与しています。2012年には、北朝鮮の銀河3号ロケットが黄海に落下した際、海難救助隊（SSU）の潜水作業支援船として活躍しました。SSUの隊員は、DDSを活用して水深85～88メートルに進出し、ロケットの部品回収に成功しました。

このように清海鎮は、韓国海軍において欠かせない存在であり、最新の技術を駆使した救難活動や国際的な防衛協力を行っています。

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