渋峠

渋峠は、群馬県吾妻郡中之条町と長野県下高井郡山ノ内町との境に位置する、標高2,172mの峠です。横手山と白根山の間を縫うように通っており、その標高の高さから、日本国内の国道では最も高い地点として知られています。

歴史

渋峠は、もともと1961年に「中部横断観光道路」構想の一部として工事が開始されました。1965年には一応の完成を見ましたが、当時は未舗装で管理も十分ではありませんでした。その後、群馬県と長野県の協議により有料道路化され、「志賀草津道路」として再開通しました。しかし、1992年には無料開放され、現在の国道292号線の一部となっています。

地理と景観

渋峠の魅力は、その変化に富んだ景観です。群馬県側からは、草津温泉街や殺生河原などのダイナミックな風景が連続します。一方、長野県側には志賀高原や渋・湯田中温泉といった、温泉地が点在しており、訪れる人々を癒します。ただし、標高が高いため、冬季は閉鎖され、例年11月初頭から4月下旬まで通行止めとなります。冬季閉鎖期間中は、長野県側でクロスカントリースキーコースが整備されます。

気候

標高が高いため、夏でも気温が上がりにくいのが特徴です。善光寺平が35℃を超えるような日でも、渋峠の気温が20℃を超えることは稀で、真夏でも明け方は10℃を下回ることが一般的です。訪れる際は、防寒対策をしっかりとしておくことをおすすめします。

国道最高地点

渋峠には、「県境の宿 渋峠ホテル」があり、壁面や敷地に県境が描かれているため、人気の撮影スポットとなっています。付近には「標高2,172m」の看板も設置されています。また、真の国道最高地点は県境から数百メートル群馬県寄りにあり、2004年には「日本国道最高地点」の石碑が建てられました。渋峠ホテルでは、「日本国道最高地点到達証明書」も販売されており、旅の記念に購入する人も多くいます。

渋峠は、サイクリストやバイク乗りの聖地としても有名ですが、2018年の草津白根山の噴火以降、群馬県側の一部区間が一時的に通行止めとなりました。その後、2021年3月に噴火警戒レベルが引き下げられ、同年4月には全面開通を果たし、再び自由に通行できるようになりました。

スキー場と慰霊碑

冬季には、横手山山頂と渋峠の間が「横手山・渋峠スキー場渋峠エリア」として賑わいます。また、2018年8月に発生した群馬県防災ヘリコプター「はるな」墜落事故の慰霊碑が設置されており、事故で亡くなった9名の隊員と消防職員を偲ぶ場となっています。

アクセス

公共交通機関では、長電バス白根火山線が湯田中駅から渋峠を経由して白根火山まで運行しています（冬季運休）。

位置情報

• - 北緯36度39分58.5秒 東経138度32分4.3秒
• - 群馬県吾妻郡中之条町入山
• - 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏

周辺情報

渋峠周辺には、志賀高原や草津温泉などの観光スポットが点在しています。これらの場所と合わせて訪れることで、より充実した旅行を楽しむことができるでしょう。

脚注

• - 日本の峠一覧
• - 交通に関する日本一の一覧
• - 日本のクロスカントリースキー場一覧
• - 志賀草津高原線 - 渋峠を往来する路線バス

渋峠は、その標高と景観の美しさから多くの人々を魅了し続けています。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

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