渋温泉

渋温泉

長野県下高井郡山ノ内町に位置する渋温泉は、夜間瀬川の支流である横湯川沿いに広がる温泉地です。この地域は「湯田中渋温泉郷」として知られ、数多くの温泉地が集まっています。

泉質

渋温泉には、単純温泉と塩化物泉の2種類の泉質が存在します。特筆すべきは、旅館35軒と外湯9ヶ所に対して、源泉が37ヶ所も存在することです。これらの源泉はすべて高温で、約60〜90℃の温度を誇ります。源泉ごとに泉質がわずかに異なるため、それぞれ異なる効能が期待できます。

温泉街

横湯川沿いに広がる温泉街は、大型宿泊施設と石畳の道に沿って建つ木造旅館が織りなす、趣のある景観が特徴です。渋温泉の大きな魅力の一つが、九つの外湯巡りです。各外湯はそれぞれ泉質と効能が異なり、一番湯から九番湯まで、それぞれ異なる楽しみ方ができます。

• - 一番湯：初湯
• - 二番湯：笹の湯
• - 三番湯：綿の湯
• - 四番湯：竹の湯
• - 五番湯：松の湯
• - 六番湯：目洗い湯
• - 七番湯：七操の湯
• - 八番湯：神明滝の湯
• - 九番湯：大湯

これらの外湯は、宿泊客と地元住民専用であり、共通の鍵で管理されています。渋温泉の宿泊者は、無料で外湯の鍵を借りることができ、「九つの外湯めぐり」を楽しむことができます。この湯巡りでは、「巡浴祈願手拭い」と呼ばれる手ぬぐいに各浴場の朱印を集め、九つすべてを集めると、高薬師で満願成就となると言われています。また、番外の薬湯である信玄かま風呂にも受印所があります。

2006年7月1日からは、九番湯である大湯が日帰り客向けに有料で開放されています。入浴券は、渋温泉旅館組合事務所や渋温泉有料駐車場管理事務所で購入できます。日帰り入浴の時間は10時から16時までです。大湯以外は、宿泊者専用となっています。

宿泊者以外でも利用できる日帰り入浴施設として、「信玄かま風呂」と「石の湯」の2軒があります。「信玄かま風呂」は温泉寺境内にあり、蒸し風呂を楽しむことができます。「石の湯」は喫茶店を兼ね備えており、石積みの浴槽が特徴的です。また、大湯の上部には無料で利用できる足湯「のふとまる」もあります。

歴史

渋温泉は、1300年前に行基によって発見されたという伝説が残っています。戦国時代には、武田信玄の隠し湯の一つとして知られ、信玄が寄進した温泉寺は、川中島の戦いの際に傷ついた兵士の療養所としても利用されました。江戸時代には、佐久間象山、小林一茶、葛飾北斎などの文人が訪れ、その風光明媚な景色を楽しみました。

また、落語家の伊集院光も修行時代には師匠と訪れ、落語よりも似顔絵描きに精を出していたという逸話も残っています。

交通アクセス

渋温泉へは、長野電鉄長野線の湯田中駅から長電バスで約5分でアクセスできます。かつては湯田中駅から渋温泉まで路線が延長される計画があり、「渋安代駅」が終着駅となる予定でしたが、実現には至りませんでした。

関連項目

渋温泉では、カプコンの人気ゲーム「モンスターハンターシリーズ」とのコラボレーションイベントが開催されています。期間中は、温泉地一帯で関連イベントや商品の販売、ラッピングされた列車やバスの運行が行われます。過去の開催年は以下の通りです。

• - 2010年12月23日～2011年1月10日
• - 2011年7月30日～8月27日
• - 2013年春
• - 2014年

また、スタジオジブリのアニメ映画「千と千尋の神隠し」に登場する「油屋」のモデルの一つとして、渋温泉郷にある旅館「金具屋」の「斉月楼」が話題になりました。

外部リンク

• - 渋温泉旅館組合)

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