渡辺昌 (宮内少輔)

渡辺 昌 (わたなべ まさ)

渡辺昌は、戦国から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、豊臣氏の家臣として知られています。彼は山城国一乗寺城を拠点とし、豊臣秀頼の槍術師範である渡辺糺の父でもありました。

生い立ちと家族

渡辺昌は、山城国愛宕郡田中村に住む渡辺告の次男として生まれました。父の告は松永久秀に仕えていたとされ、彼自身もその影響を受けて成長しました。昌の少年時代や具体的な教育についての記録は少ないですが、戦国の動乱の中で生き抜くための知恵と武道を身に付けていったことでしょう。

初期の経歴

永禄11年（1568年）、足利義昭が上洛してくると、昌はその家臣となります。その後、元亀元年（1570年）頃に明智光秀に仕官。この時期、義昭に仕える北山城の奉公衆として光秀に与力として加わります。このように、彼は戦国時代の複雑な人間関係の中で活躍し始めました。

盟友との関係

元亀3年（1572年）11月16日、昌は兄の重とともに、光秀の与力となった磯谷久次の息子の元服を祝う宴席に参加しました。このエピソードは、昌が当時の有力な武将たちとの重要な親交を持っていたことを示しています。

義昭への仕官

天正元年（1573年）2月には、義昭が挙兵する際に昌は彼に従い、久次や山本対馬守と共に戦いました。この戦いで、昌は山岡光浄院の指揮を受けて戦闘に参加し、石山城や今堅田城を守りましたが、織田信長の攻撃を受けて降伏し、後に赦免されることとなります。

一乗寺城での籠城

同年7月には、義昭が再び挙兵したことを受けて、一乗寺城に立て籠もりますが、7月23日には稲葉良通の調停に応じ、退城することになります。このような一連の出来事は、昌の戦国時代における忠誠と戦略的判断力を如実に示しています。

豊臣秀吉への仕官

その後の昌の動向は定かではありませんが、最終的には豊臣秀吉に仕官し、馬廻となります。豊臣政権の中で彼がどのような役割を果たしたのかは詳細には伝わっていませんが、彼の長い武将としての経歴は豊臣政権においても重要な意味を持ったことでしょう。

結論

渡辺昌の生涯は、日本の歴史における激動の時代における武士の在り方を示す貴重な例です。彼の忠誠心ときたるべき戦乱の中での敏腕な判断力は、戦国の時代を生き抜く武将としての資質を如実に表しています。学問の道にも貢献し、その名は歴史の中で今もなお語り継がれています。

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