港龍安啓

港龍安啓（こうりゅう やすひろ）は、1961年9月12日、徳島県小松島市中田町に生まれました。本名を沢原安啓（さわはら やすひろ）といい、宮城野部屋に所属した元大[[相撲]]力士です。身長174cm、体重120kgと、力士としては小柄ながらも、右四つ、寄り、下手投げを得意とし、最高位は西前頭4枚目（1986年11月場所）まで昇りつめました。

生い立ちと角界入り

小松島市立小松島中学校時代から相撲を始め、1年生と2年生の時に徳島県大会個人戦で優勝。団体戦でも活躍しました。中学校卒業後、角界入りを決意し、1977年3月に第43代横綱・吉葉山が創設した宮城野部屋から初土俵を踏みました。

力士としての活躍

稽古熱心な力士として知られ、巡業中の申し合い数は常に上位でした。その努力が実り、1983年9月場所で十両に昇進、1986年7月場所には新入幕を果たします。しかし、入幕5場所目の1987年3月場所で椎間板ヘルニアを発症し、全休を余儀なくされました。手術後、復帰を目指して腰痛と闘いましたが、再び本場所の土俵に立つことはできませんでした。三段目下位まで番付を落とし、1988年1月場所を最後に、26歳の若さで現役を引退しました。

引退後の活動

引退後は、故郷の徳島県小松島市中田町（1988年頃）でちゃんこ鍋店「ちゃんこ鍋港龍」を開業。その後、徳島市丈六町（2006年頃）に移転し、ちゃんこ鍋一品のみを提供するというスタイルで知られていました。現在は、香川県高松市太田下町で同名の店を経営しています。

エピソード

その容貌から「子泣きジジイ」という愛称で親しまれていました。幕内時代には、横綱双羽黒の露払いを務めた経験もあります。1987年は、1月場所で負け越し、その後椎間板ヘルニアによる長期休場のため、6場所連続で負け越しとなりました。一方、前年の1986年には、1月から9月まで5場所連続で勝ち越し、11月には最高位の前頭4枚目まで昇り詰めましたが、最終的に負け越しました。

主な成績・記録

生涯成績は284勝249敗58休、勝率.533。現役在位は65場所で、幕内成績は29勝31敗15休、勝率.483。幕内在位は5場所です。

四股名の変遷

現役時代には、沢原安啓（1977年5月場所 - 同年9月場所）から港龍安啓（1977年11月場所 - 1988年1月場所）へと四股名を変更しています。

その他

息子の沢原魁門は、香川県立高松工芸高校で野球部の正捕手を務め、後にフィジーカーとして活動しています。

参考資料：『戦後新入幕力士物語 第5巻』（著者：佐竹義惇、発行元：ベースボール・マガジン社）p96-p100

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