湊富士孝行

湊富士孝行の経歴とその後の活動

湊富士孝行（みなとふじ たかゆき）は、1968年7月6日生まれの群馬県安中市出身の元大相撲力士です。彼の本名は三浦孝行で、身長186cm、体重170kgの体格を持ち、得意な技は右四つと下手投げです。最高位は1995年9月場所での東前頭2枚目となっています。また、現在は年寄名跡「湊」を名乗り、後進の指導に従事しています。

早期の背景

湊富士は、若い頃からスポーツに親しんでいました。中学時代は柔道部に所属し、地元の大会で優勝した経験がありますが、相撲にも強い関心を持っていました。彼は高崎市の東京農大二高の相撲部の練習に参加し、監督の助言により、中学卒業とともに湊部屋に入門します。1984年3月のことです。

湊富士が相撲を志すきっかけとなったのは、同じ群馬県出身の幕内力士・栃赤城が登場したことでした。彼は、相撲界で成功するため、栃赤城のようになりたいと考え、稽古に励む決意を固めました。そして、彼に続く形で群馬県出身の琴錦や琴稲妻、起利錦が関取昇進を果たすと、「自分も負けていられない」とさらに気を引き締めました。

力士としての成績

相撲界でのキャリアは、決して順風満帆ではありませんでしたが、確実に前進を続けました。1992年1月場所に十両に昇進しましたが、初の場所では5勝10敗という結果に終わります。7月場所で再昇進を果たし、以降は二子山部屋での出稽古で実力を高め、解説者の北の富士からも高い評価を得ました。

1993年5月場所では、12勝3敗という優れた成績を収め、十両優勝を果たします。この年の後半には新入幕を果たし、以後の相撲人生において、右四つの姿勢で逆転勝利を収める粘り強い相撲が持ち味となりました。その際、彼は一部の好角家から「マシュマロマン」と親しまれる存在となります。

湊富士は三役昇進を狙える機会もありましたが、やや攻めが遅れることが昇進を妨げる要因となりました。それでも、金星を3度獲得するなど、高い実力が証明されました。特に1998年の1月と5月場所では貴乃花から、また1999年の9月場所では武蔵丸から勝利を収めています。

引退後の活動

彼は2002年に現役を引退し、立田川を襲名します。引退後は湊部屋付きの親方として、若手力士への指導にあたりました。2010年には師匠と名跡を交換し、湊部屋を継承しました。2013年には審判部の職務中に事故に遭い、怪我を負うものの、その後も精力的に活動を続けました。

特に2014年には、自身が指導した逸ノ城が十両昇進を果たし、彼の初の子飼い関取となりました。湊の影響を受けた逸ノ城は、その後も力士として昇進を重ね、関脇まで昇進しています。

最近では2020年に新型コロナウイルスに感染し、一時的に入院する事態が発生しましたが、無事退院し、健康を取り戻しています。

まとめ

湊富士孝行は、地味ながらも確実に力士としてのキャリアを築き、引退後も相撲界に貢献を続ける人物です。彼の素晴らしいキャリアや弟子たちへの影響は、これからも相撲界において語り継がれていくことでしょう。

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