湘江

湘江の概要

湘江（しょうこう、拼音: xiāng jiāng）は、中華人民共和国湖南省を流れる主要な川で、長江の右岸にある支流です。この川は、湖南省の別名「湘」に由来しており、全長は856kmです。

流路

湘江は、広西チワン族自治区の桂林市霊川県に位置する海洋山を起点とし、そこで流れ出る海洋河がその源流とされています。北東へと進みながら、そこから湖南省に入ります。湘江のほとんどの部分が湖南省内を流れており、そのうち670kmは湖南省内を通ります。主要な都市としては、永州市、衡陽市、株洲市、湘潭市、長沙市、岳陽市が湘江の流域に位置しています。

湘江にはおそらく2,157の支流が存在し、主要な支流には、瀟水、耒水、洣水、淥水、瀏陽河が東岸に、祁水、蒸水、涓水、漣水、潙水が西岸に流入しています。また、流域内の長沙市では、瀏陽河と撈刀河が湘江に接続し、岳陽市の湘陰県で洞庭湖に流れ込んでいます。

流域の地理

湘江流域は、長江の南側に位置し、南嶺山脈の北側を広がっています。東側は羅霄山脈、西側は衡山山脈によって、それぞれ異なる水系と接しています。この流域の面積は94,600平方キロ[[メートル]]で、そのうちの85,300平方キロ[[メートル]]は湖南省に属しており、これは湖南省全体の面積の約40%を占めます。

湘江流域は、起伏のある丘陵地帯と美しい川沿いの河谷平原や盆地が特徴です。長沙から下流へかけては、広大な沖積平野が広がり、洞庭湖とともに多くの河川による豊かな湿地が形成されています。上流の地域では山地が多く存在し、急流の支流が峡谷を彫り進める一方で、下流部ではやや平坦な地形が見られます。

環境と治水

湘江は、湖南省内の大都市にとって重要な交通路となっており、660kmまで通航可能な部分があります。しかし、工業都市が集中しているため、重金属汚染が深刻な問題となっています。流域では様々な公害も発生しており、環境保護が求められています。

年降雨量は1,300mm以上で、降雨は主に春から夏に集中します。4月から7月にかけては水位が最高に達し、洪水のリスクも高まります。水の少ない時期と流量の多い時期とで、河の風景が大きく変わることがこの地域の特性です。

伝説と文化

湘江にまつわる伝説には、湘妃（湘君）という川の神話があり、娥皇と女英という二人の女神が由来です。彼女たちは、悲しみのあまり川に身を投じたことから、この川の神となったとされています。また、湘江流域は先秦時代から文化的な背景を持ち、楚の人々が湘水の神々を崇拝していたことも知られています。

この地帯は、詩や伝説が数多く生まれた場所であり、美しい自然と相まって、湘江流域は詩的なイメージで語られ、アートの題材としても多く取り上げられています。

もう一度検索