湯田中温泉

湯田中温泉

長野県下高井郡山ノ内町にある湯田中温泉は、「湯田中渋温泉郷」を構成する温泉地の一つです。古くから湯治場として栄え、その歴史と豊かな湯量が訪れる人々を魅了し続けています。

泉質

湯田中温泉の泉質は、以下の2種類です。

塩化物泉：保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。
硫黄泉：独特の香りがあり、皮膚病や慢性的な疾患に効果があると言われています。

これらの泉質が組み合わさることで、多様な効能が期待できるのが湯田中温泉の魅力です。

温泉街

湯田中温泉の温泉街には、規模の大きなホテルや歴史ある老舗旅館が14軒ほど点在しています。駅から夜間瀬川沿いの高台にかけて、お土産物屋や飲食店が並び、温泉情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。駅には日帰り入浴施設「楓の湯」が併設され、駅前や梅翁寺前には足湯も設置されています。

歓楽街としての雰囲気はあまりありませんが、数軒のスナックなどが営業しています。共同浴場は、「大湯」「綿の湯」「わしの湯」「千代の湯」「滝の湯」「白樺の湯」「弥勒の湯」「平和の湯」「脚気の湯」の9軒があります。かつては一般にも開放されていましたが、マナーの問題から現在は地元住民と宿泊客専用となっています。ただし、毎月26日には一部の共同浴場が一般開放され、温泉を楽しむことができます。

特に「大湯」は、日本温泉協会発行の雑誌「温泉」で、東の横綱として道後温泉と並び称されるほどの評価を受けています。

温泉街の東部には、かつて湯田中ロープウェイがあり、ごりん高原スキー場へのアクセスを担っていました。

歴史

湯田中温泉の歴史は古く、郷土史誌「湯田中のあゆみ」によれば、縄文時代から温泉の恩恵を受けていたと考えられています。文献に残る開湯は7世紀頃、天智天皇の時代に僧智由によって発見され、「養遐齢（ようかれい）」と名付けられました。これが現在も同位置にある「大湯」です。智由は、温泉を鎮護するために大湯の東方に弥勒石仏を建立しました。

江戸時代には、草津街道の宿場町として、また湯治場として栄えました。松代藩の真田氏も湯田中の湯を愛し、お城にも温泉を運ばせていたそうです。また、小林一茶の門弟であった湯田中湯本は、旅籠登録制度が施行された際の第一号となりました。

湯田中温泉は、「養遐齢（ようかれい）」という別名を持ちます。これは、長命長寿を意味し、この温泉が病を癒し、心身を爽やかにして、健康で長生きできる霊験あらたかな温泉であることを示しています。初代陸軍軍医総監の松本順も湯田中温泉に関わりが深く、彼による入浴法も伝えられています。

湯田中地区には、数々の文化財も残されています。「よろづや旅館松籟荘」、「よろづや旅館桃山風呂」、「湯田中駅旧駅舎」は国の登録有形文化財に、「果亭文庫収蔵品」、「両頭石棒」は町指定有形文化財に、「五輪塔」、「児玉果亭の頌徳碑」は町指定史跡に指定されています。しかし、「松籟荘」は2021年2月の火災により全焼してしまいました。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、長野電鉄長野線の湯田中駅から徒歩5分です。自家用車の場合は、上信越[[自動車道]]の信州中野インターチェンジから約20分で到着します。

関連項目

市村羽左衛門 (15代目): 1945年に、よろづや旅館に滞在中に急逝しました。

外部リンク

湯田中温泉旅館組合
信州湯田中温泉観光協会公式サイト
よろづや旅館松籟荘 - 文化遺産オンライン（文化庁）
よろづや旅館桃山風呂 - 文化遺産オンライン（文化庁）
湯田中駅旧駅舎 - 文化遺産オンライン（文化庁）

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