源俊

源 俊（みなもと の すぐる）

平安時代中期の貴族である源俊は、嵯峨源氏に属し、大納言・源定の孫として知られています。父は右大弁の源唱で、官位としては従四位上・近江守を受けました。彼の経歴は複雑で、多岐にわたる官職を歴任し、その過程でさまざまな事件に関与しています。

経歴

源俊は、醍醐朝の時代において、左兵衛少尉や左衛門少尉といった武官職に加え、六位蔵人を務めました。承平8年（938年）には右衛門権佐に任命され、翌年の天慶2年（939年）には武蔵国密告使長官に就任します。この役割は、武蔵介・源経基が平将門や興世王、武蔵武芝の謀反を訴える事案に関連していますが、俊はこの事件の究明にあたらなければならず、困難な任務を背負ったと言えるでしょう。

ところが、天慶3年（940年）の正月、彼はこの事件に関連して罪を得て官位を剥奪されてしまいます。しかし、天慶4年（941年）12月、恩赦を受けて再び官位を取り戻し、天慶5年（942年）には右衛門権佐、さらに従五位上に叙任されることで、以前の地位を回復します。

その後、俊は権右少弁を兼ね、天慶9年（946年）には村上天皇が即位した際に五位蔵人に任命されるなど、重要な位置に就くことになります。彼の職務は進行し、山城守として地方に転任した後、天暦5年（951年）には右中弁に任ぜられます。天暦8年（954年）には左中弁としても活動し、村上朝中期には弁官としての役職を担いました。また、春宮・憲平親王の春宮亮も兼任するなど、政界での影響力を増していきました。

官歴

源俊の官歴は、以下のような重要な日付を含んでいます。

• - 時期不詳：左兵衛少尉
• - 延喜17年（917年）9月11日：非蔵人
• - 時期不詳：左衛門少尉
• - 延喜22年（922年）2月17日：六位蔵人
• - 承平8年（938年）3月：右衛門権佐
• - 天慶2年（939年）6月7日：武蔵国密告使長官
• - 天慶3年（940年）正月9日：官位剥奪
• - 天慶4年（941年）12月：恩赦
• - 天慶5年（942年）3月29日：右衛門権佐、閏3月20日：復本階（従五位上）、4月2日：侍従
• - 天慶6年（943年）12月17日：見兼権右少弁
• - 天慶8年（945年）10月？：右少弁
• - 天慶9年（946年）4月26日：五位蔵人（三事兼帯）
• - 時期不詳：従四位下。山城守
• - 天暦5年（951年）正月30日：右中弁、元山城守
• - 天暦8年（954年）3月14日？：左中弁

系譜

源俊の家族構成にも注目が集まります。父親は源唱、母親は橘善基の娘です。彼には二人の息子、源把と源沃がおり、さらに娘は源満仲の妻となり、源頼光、頼平、源賢の母となっています。そのため、源俊は多くの子孫を残し、源氏の血統を広げる一因となりました。

まとめ

源俊の一生は、平安時代の貴族社会の中で政治的な事件に巻き込まれ、数々の官職を経験した波乱に満ちたものでした。彼の家系や子孫においても、後の歴史に大きな影響を与えたことでしょう。彼の存在は、当時の権力構造や貴族社会の重要な一端として語り継がれています。

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