源兼定

源兼定：平安末期から鎌倉初期の公卿

源兼定（みなもと の かねさだ）は、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけての公卿で、最終的には従三位・治部卿にまで昇りました。村上源氏雅兼流であり、権中納言・源雅頼の長男として生まれました。

生涯と官歴

兼定の母は太皇太后宮少進・源盛定の娘です。初めは雅能と名乗り、後に兼房、さらに兼定へと改名しました。弟の源兼忠と比較すると昇進が遅く、そのため父・雅頼の事実上の嫡子は兼忠であったと考えられています。また、生母の出自も兼忠の母の方が家格が上でした。

以下に、『公卿補任』と『尊卑分脈』に基づいて、兼定の官歴をまとめます。

保元元年（1156年）11月28日：叙爵。
応保元年（1161年）1月23日：民部大輔に任官。
長寛3年（1165年）1月5日：従五位上に昇叙。
仁安2年（1167年）1月30日：讃岐介を兼任。
承安2年（1172年）：昇殿を許され、宇佐使を勤める。
安元元年（1175年）：除籍される。
治承元年（1177年）11月15日：母の喪が明けて復任。
治承3年（1179年）：還任して昇殿を許される。
寿永2年（1183年）1月5日：正五位下に昇叙。
文治5年（1189年）9月26日：木工頭に任官。
建久元年（1190年）10月9日：父・雅頼の喪が明けて復任。
建久5年（1194年）1月30日：越前権介を兼任。
建久8年（1197年）1月30日：蔵人に補任。
建久9年（1198年）1月11日：新帝の蔵人に補任。
元久元年（1204年）4月12日：左少弁に任官。
元久2年（1205年）1月5日：従四位下に昇叙。
建永元年（1206年）10月10日：権右中弁に転任。
建永2年（1207年）1月5日：従四位上に昇叙。
承元元年（1207年）10月29日：右中弁に転任。
承元2年（1208年）7月9日：左中弁に転任、同月13日には装束使を勤める。12月9日、正四位下に昇叙。
承元3年（1209年）1月13日：左中弁と木工頭を止め、治部卿に任官。
承元4年（1210年）6月17日：従三位に叙される。
建暦元年（1211年）10月12日：治部卿を辞任。
建保4年（1216年）6月15日：出家、翌16日に薨去。享年68。

系譜

父：源雅頼（1127-1190）
母：源盛定の娘
妻：不詳
男子：源定平、源兼平、源家兼、源隆兼、源定実、源国平、兼遍、澄舜、定成

源兼定は、平安末期から鎌倉初期にかけて、様々な官職を歴任し、最終的には従三位にまで昇った人物です。彼の生涯は、当時の公家社会の昇進や家格といった要素が複雑に絡み合っていたことを示しています。

参考資料

『公卿補任』（新訂増補国史大系）吉川弘文館
『尊卑分脈』（新訂増補国史大系）吉川弘文館

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