源扶義

源 扶義（みなもと の すけのり）について

源扶義は、平安時代中期に活躍した公卿であり、宇多源氏の出身です。彼は左大臣である源雅信の四男で、官位は正四位下・参議という高い地位にありました。彼は学問を重んじる姿勢から、通常の貴族とは異なる道を歩みました。特に、その知識と才能は若い頃から育まれ、学問の道に進むことを決心した結果、大学寮に入学し、25歳で文章生となりました。

経歴の概略

扶義は貞元2年（977年）8月に六位蔵人に任命され、同年12月には図書助となりました。これに続き、式部少丞を経て天元3年（980年）には従五位下として遠江権守に叙任されます。天元4年には円融天皇の昇殿を許され、さらに安芸権守、翌年には河内守を経て昇進していきます。永観2年（984年）には従五位上、寛和2年（986年）には正五位下に昇進し、寛和の変を経て一条天皇の身近に仕えることとなります。これを受けて、永延元年（987年）には五位蔵人兼右少弁に任じられます。

その後、扶義は様々な弁官職を務めながら順調に昇進し、正暦2年（991年）には蔵人頭に叙任され、正四位上へと昇格しました。正暦4年（993年）には敦道親王の元服に際して、他の高官とともに儀式を執り行いました。正暦5年（994年）には参議兼右大弁に任ぜられ、公卿の仲間入りを果たし、一条天皇の九卿の一人として知られるようになりました。

最期とその後

扶義は長徳4年（998年）に48歳で卒去しました。彼の死の約10日前には仁王会に参加しており、生前からの活動が多くの人々に影響を与えていたことが伺えます。没後の寛弘7年（1010年）には、その邸宅が焼失するという不幸も経験していますが、彼の名声と影響力はその後も続いていきました。

家族と系譜

扶義の父は源雅信、母は藤原元方の娘で、妻は源是輔の娘です。彼には長男源成頼（976-1003）や次男源経頼（985-1039）などの子どもがおり、また女子は藤原兼隆の正室となっています。その他にも、子女の中には源簾子や上東門院小少将などもおり、特に近江源氏佐々木氏は成頼の子孫を名乗っています。扶義の一族はその後も日本の歴史に名を刻む存在となりました。

まとめ

源扶義は学問を邁進し、公に仕えた貴族として、平安時代の日本において重要な役割を果たした人物です。彼の官位の上昇過程や家族関係は、日本の中世貴族社会を理解する上で欠かせない要素となっています。その経歴と影響力は、彼の死後も後世にわたって語り継がれるべきものです。

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