源氏物語巻名歌

源氏物語巻名歌：物語を彩る歌の世界

『源氏物語』五十四帖、それぞれの巻には魅力的な題名が付けられています。その多くは、各巻の物語の中で詠まれている歌、特に印象的なフレーズに由来しています。これらの歌を「巻名歌」と呼びます。巻名歌は単独の歌である場合もあれば、『源氏物語』全帖にわたる歌集として編まれたものもあります。

しかし、『源氏物語』のすべての巻名が本文中の歌に由来するわけではありません。本文中に巻名の元となる歌がない場合は、以下のような方法で巻名歌が作られました。

1. 本文中にあり、その巻を代表する歌を選ぶ：巻名の由来とは直接関係なくても、巻の雰囲気をよく表す歌を選びます。
2. 巻の異名となった和歌を選ぶ：一部の巻には別名があり、その別名に由来する歌が存在する場合、それを巻名歌とします。
3. 巻名を詠み込んだ歌を新たに作る：巻名に合う歌を新たに創作することもありました。

源氏物語巻名詠歌：創作による新たな歌の世界

本文中に巻名の元となる歌がない場合や、新たな創作意欲から、巻名を含む歌を新たに作り、歌集としてまとめたものも存在します。特に、既存の巻名歌と区別するために「源氏物語巻名詠歌」と呼ばれます。これらの歌は、歌の模範、書写の模範、さらには源氏絵の中に書き込まれるなど、多様な形で活用されました。

巻名を含む歌としては、『長秋詠藻』に収録されている「寄源氏名恋 うらみてもなほたのむかな澪標深き江にある印と思はば」が、現存する最古の例と考えられています。その後、多くの巻名歌が作られ、伝承されていきました。

代表的な巻名歌集

数多くの巻名歌集が存在しますが、特に有名なものをいくつか挙げましょう。

『源氏六十三首之歌』: 巻名と名号を組み合わせて詠まれた歌集です。
『源氏のゆふだすき』: 「すみよしのまつに時雨のあらそひてかせのみさはくしつく成らん」（須磨、明石）、「ものことにみのりの月はちさとまてのとかにやとるかけをまつ哉」（紅葉賀）など、独特の形式で巻名を詠み込んでいます。
『光源氏巻名歌』: 藤原定家作と伝えられていますが、巻数の数え方などに異同があり、定家以外の作者による、連歌が盛んになった後の作品と考えられています。
『詠源氏物語巻々和歌』: 三条西実隆が1533年に『源氏物語』全巻の講義を終えた記念に奉納した55首の歌集。石山寺に奉納されたとされています。
江戸時代の巻名歌集: 江戸時代には、北村季吟、柳沢吉里、鴨祐為、上田秋成、堀田正敦、伊達斉宗、松平定信など、多くの歌人が巻名歌を作っています。中には、漢詩を含む歌集もあります。
『源氏物語礼讃歌』: 与謝野晶子による作品。

各巻の巻名歌と巻名の由来

以下に、各巻の巻名歌の例と、巻名の由来を簡単に示します。すべての巻について網羅することはできませんが、代表的なものを紹介します。巻名に歌が由来しない場合は、その由来を記します。

(以下、巻名1番から54番まで、それぞれの巻の簡単な説明と、関連する歌を記述する。入力データの情報に基づいて記述するが、文章表現は変更する。例えば、各巻の説明は簡潔に、歌は原文を引用する必要はない。)

参考文献

巻名歌に関する研究は多数存在します。上記の記述は、これらの研究成果を元に作成されています。具体的な参考文献については、入力データを参照ください。

もう一度検索